「ニコニコメガネ」も夢じゃない?--鈴木社長が語るniconicoマルチデバイス構想

 ドワンゴは5月7日、「niconico」事業のマルチデバイス展開を目的とした新会社「キテラス」を、2月24日に設立したことを発表した。代表取締役社長には、ドワンゴ ニコニコ事業本部 コンシューマーエレクトロニクス事業部長の鈴木慎之介氏が就任した。

 ドワンゴではこれまでも、携帯型ゲーム機「PlayStation Vita」(PS Vita)向けの専用アプリや、ソニーの液晶テレビ「ブラビア」向けの実況アプリを提供するなど、niconicoをPCやモバイル以外の電子機器へ対応させてきているが、なぜあえて新会社を設立する必要があったのだろうか。

 今後のマルチデバイス展開に向けた構想なども含め、鈴木氏に狙いを聞いた。

マルチデバイス時代にスピーディーに対応

 鈴木氏は、初期バージョンである「ニコニコ動画(仮)」の立ち上げにエンジニアとして関わり、その後は主にマネジメント担当として、ニコニコ動画全体の開発マネージャや、ニコニコチャンネルのプロデューサーなどを務めてきた人物だ。

  • キテラス代表取締役社長の鈴木慎之介氏

 新会社を設立することになったきっかけは、鈴木氏がプロジェクトリーダーを担当していたPS Vita向けの専用アプリの開発だった。「(PS Vita対応によって)テレビやゲーム機など、さまざまなデバイスに対応していこうというミッションが生まれました。今年の1月からコンシューマーエレクトロニクス事業部を立ち上げ、さらにキテラスとして分社化しました」(鈴木氏)

 また今がまさに、デスクトップPCの役割がノートPCへ、ノートPCの役割がタブレットへと変化しつつある“パラダイムシフト”のタイミングとみていることから、少人数体制の新会社を設立することで、多様化するマルチデバイス時代にもスピーディーに対応できると鈴木氏は語る。

会社名「キテラス」の由来は?

 気になるのは「キテラス」という会社名の由来だが、鈴木氏によれば人と違ったことをするという意味の“奇をてらう”という言葉を語源にしているという。

 「niconicoは『人と違ったことをやっていく』みたいな文化が根付いているプラットフォームだと思うのですが、そういった文化を受け継ぎながら、かつ我々としても新しいプロダクトを生んでいきたいという願いを込めて、“奇をてらう”をもじったキテラスという言葉を作りました」(鈴木氏)

 ローマ字では「QTERAS」と書くそうだ。頭文字の「Q」はPCなどの電源マークをモチーフにしているほか、高い品質にこだわりたいという想いからクオリティ(Quality)という意味も込められているという。

まずはテレビ対応でユーザー層を拡大

 今後はドワンゴと連携しつつ、さまざまなデバイスへniconicoを展開していく。まずは国内テレビへの対応を進めていき、さらにゲーム機やセットトップボックス(STB)などにも幅を広げていきたいという。

 テレビ向けの取り組みとしては、すでにソニーの液晶テレビ「ブラビア」向けの実況アプリが提供されているほか、4月28~29日に開催された「ニコニコ超会議」では、ブラビアやパナソニックの液晶テレビ「ビエラ」向けの新アプリが参考出展された。

 「niconicoのメインプラットフォームはPCとモバイルですが、あくまでもそこで使っているのはメインのユーザーである若年層だったりするので、その他の世代ではまだテレビを見ている方も多いと思います。テレビは何かをしながら視聴する『ながら見』にすごく適したデバイスですので、そういったところにniconicoのコンテンツを流しっぱなしにするというのも、親和性が高いのでは思っています」(鈴木氏)

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