ソーシャルメディアマーケティングは最新の流行語だが、「ソーシャル」なツールというラベルが乱用されているきらいがある。例えばLinkedInは、ソーシャルネットワークだと考えられているが、いくつかのニッチな業界と目的(例えば人材募集)などを除けば、あまりソーシャルな活動は起こっていない。同様に、Google+の到達範囲と活動も、いくつかの領域(例えばITジャーナリスト)を除けば現時点では限られているようだ。ソーシャルネットワークは流行になっているが、自分の会社の顧客がそこに参加していなければ、ここはパスをして、資源は顧客がいるところに投入した方がよい。
ソーシャルマーケティングでは気さくさや親密な感じがあった方がよいが、プロフェッショナリズムの基本的なルールを無視すべきではない。悪い言葉遣いや露出の多い女性の写真、不適切なコンテンツの共有などは、注意を引くかもしれないが、顧客の前で会社の悪いイメージを見せることになる。それでも、ソーシャルネットワーキングで個性を示しながら、楽しく気さくに振る舞うことはできるはずだ。とにかく、あなたの投稿を見る人たちの個人的価値観については知りようがないということだけは覚えておいて欲しい。
ソーシャルマーケティング戦略は単独では進められない。会社のウェブサイトは、ソーシャルネットワークで利用しやすいように、いくらか変更する必要がある。例えば、誰かが会社のサイトへのリンクを共有した際に表示される画像(特にデフォルトの)を、正しいものにする方法を知る必要がある。また、ページを共有したときの「あおり文句」がコンテンツに合っているか、正しく表示されるかといったことも確認したいはずだ。そういった変更を行うのは難しくないし、会社のサイトへのリンクを見た人が、それをクリックする可能性を増やすために大きな役割を果たす。
非常によく起こるのは、Twitterのフォロワー数やFacebookの「いいね!」の数、Google+の「+1」の数などの、自尊心を満足させてくれる(あるいは自尊心を傷つける)数字に、企業が気を取られてしまうことだ。これらの指標は興味深いものだが、フォロワーがたくさんいるからといって、それがそのままお金になるわけではない。フォロワーを収入に変えることによって、初めて利益を上げることができる。収益化のための計画がどのようなものであれ、ソーシャルネットワーキングでの努力はそれを支えるものでなくてはならない。もしソーシャルな活動を売り上げに変えられないのであれば、Facebookのページを「いいね」と言ってくれる人が何人いようが意味はない。
ソーシャルネットワークを使ったマーケティングは新しいものかもしれないが、他のほとんどの技術と同じように、これが史上最高のものだという保証はない。新しい市場に手を伸ばす助けになる可能性はあるし、非常に絞られたマーケティングができる可能性もあり、顧客とよい関係を築くこともできる。しかし、Twitterアカウントを作ったからといって、突然売り上げが倍になるわけではない。繰り返しになるが、ソーシャルネットワーキングは道具箱の中の道具の1つであり、これを使って十分な努力をすれば、素晴らしいことができるかもしれない。しかし、注意深い管理と長期的な視点がなければ、あまり役には立たないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス