「ファイナンス」という言葉自体は、もちろん知っているだろう。だがファイナンスとは何かと言われて説明できるだろうか。個人や企業の資金繰りといった、漠然としたイメージしか思い浮かばない。あるいは株式や投資、キャッシュ・フローという言葉だけは知っているが、その本質はよく分かっていない。もしそうであれば、ファイナンスについて基礎から学ぶチャンスだ。
本書では「資金を効率よく『調達』し、それを『運用』して、収益を『獲得』・『分配』する行為」を「ファイナンスの本質」であるとし、これを実行するための意思決定にかかわる事を「ファイナンスという領域」としている。この考えに基づき、企業会計から投資、M&Aまで、およそビジネスで必要とされるファイナンスの基本をすべて、一から体系立てて学べる構成になっている。
断片的な知識をつなげたり、欠けていた知識を補うために、本書のような基礎学習者向けの本はとても助けになる。時間の経過によって変化するお金の価値や、企業の価値を高めるための投資など、理論だけでなく「なぜそうなるのか」という詳しい説明によって理解が深まるのも、社会人の独学に向いているといえるだろう。
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