ヤフー第二の創業は“爆速化”--「スマホファースト」で手腕振るう宮坂氏 - (page 2)

社内体制を“爆速化”

 続いて、社内体制の刷新について語られた。宮坂氏は新体制における重要なキーワードとして「爆速化」と「人材重視」の2点を挙げる。まず、爆速化については、社内における「状況把握→判断→実行」のプロセスを簡潔にすることで開発スピードを速めていくという。

 爆速化に向けては大胆な権限委譲を実施。従来8ステップ必要だった承認プロセスを、新体制となる4月1日から2ステップに改めた。さらに、従来は部署ごとに分かれていた企画、開発、運用をプロジェクトごとにチーム化。小さな組織の集合体にすることでチーム内で意志決定できるようにした。

 こうしたことが反映されてか、この日ヤフーは主要サービスとFacebookとの連携を“爆速”で対応していくことを明らかにしている。

  • 社内体制を“爆速化”

  • 承認プロセスを改定

  • 各部門をスモールユニット化

 「昨今、ヤフーは昔のワイルドさやスピード感が若干落ちている、大企業化しているのではないかという声も聞いたりしていた。もしそれが本当なら改めないといけない。特にスマートフォンインターネット大陸へ出て行く上では、できるだけ早く会社の外側で何が起きているかを誰よりも早く把握して、それを誰よりも早く意志決定して実行する。このサイクルのスピードをもっと上げなければいけない」(宮坂氏)

  • ヤフーが掲げる3つのキーワード

 人材重視については、「ヤフーにはまだまだ沢山のインターネット、スマートフォンに関して情熱をもっているタレント(才能)があるので、そのタレントと情熱をスマートフォンという1点に振り向けていこうと考えている」とコメント。社内では、Focus(得意なものに集中できる人)、Fast(爆速でやれる人)、Fun(楽しんでやれる人)の3つのキーワードを掲げているとした。

 4月から新体制を発足させたヤフーだが、2012年の上半期はあくまでも従来の経営陣が築き上げてきたPCでの成功を継承する“バトンゾーン”だと宮坂氏は説明する。「バトンゾーンは一番バトンを落としやすいところなのでしっかりと受け止めたいと思っている。ただし、いつまでもバトンゾーンにいるわけにはいかないので、この期間のうちに新たなスマートフォンの世界にどう出て行くかの新戦略を策定する」(宮坂氏)

 2012年下期は、新たな組織、新たなスマートフォン戦略を掲げることで、売上・利益成長の再加速を目指す。宮坂氏は、PCとスマートフォンの「クロスデバイスでNo.1になる」と語り、ヤフーの新体制を“第二の創業”にしたいと意気込んだ。

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