それ以外で重要なサービスは、Adobeの「Business Catalyst」ホスティングサービスだ。このサービスにより、サブスクリプションユーザーは最大5つのウェブサイトを運営できる。言うまでもなく、Business CatalystはCS6スイートで初登場する新しいMuseツールなどのAdobeのデザインソフトウェアと統合されている。ユーザーは、Adobeの「TypeKit」サービスでダウンロード可能なフォントを使って、ウェブサイトをより洗練された外観に仕上げることもできる。
また、デザインを発表したり、ほかのユーザーの作品にコメントしたり、ヒントを共有したりするためのソーシャルツールも用意されている。世界が新たなソーシャルネットワークを必要としているかどうかは分からないが、Adobeにとっては、同社の抱える多くの顧客の活動拠点となることを目指さない手はない。
現時点では、オンラインツールはCS6ソフトウェアと比べて見劣りする。しかし、インターネットのアプリ実行の能力が着実に向上するにつれて、そしてインターネット上でのパブリッシュに対するAdobe顧客の関心が着実に高まるにつれて、オンラインサービスの重要性は増していくだろう。
Adobeは優れたデザイン製品の開発元として確固たる評価を得ているが、個別の製品で数百ドル、スイートで数百~数千ドルという価格設定のために、購入をためらっている潜在的な顧客も多いだろう。
しかし、Creative Suiteの全製品を75ドルで1カ月間使用できるとなればどうだろうか。この方がはるかに踏ん切りをつけやすい。年間600ドルという料金でさえも、完全な「Master Collection」の2600ドルという価格に比べると魅力的だ。
もちろん、注意すべきこともいくつかある。製品を使い続けたければ、料金を支払い続けなければならない。そして、すべての顧客が完全なスイートを必要としているわけではない。また、Master Collectionの既存のユーザーであれば、549ドル支払うだけでCS6にアップグレードできる。しかし、利用開始の入り口として費用を抑える方法を提供するのは良いアイデアだ。
Photoshopや「Illustrator」、Premiere Proといった個々のタイトルを対象に、より低料金のサブスクリプションも用意されている。それらの大部分は、月額20ドルのサブスクリプションを通して利用できる。新しいMuseおよびEdgeツールは、それぞれ月額15ドルで使用可能だ。
Adobeは学生向けに月額30ドルの割引プランも用意している。同プランは年間契約を結ぶことが条件だが、Adobeは1学期単位のオプションも検討している。
より長い期間、例えば3年契約するとさらに料金が安くなるというオプションは存在しないが、Morris氏によれば、Adobeはそのアイデアを検討しているという。「われわれは間違いなくそうした余地を残している」が、短期的な計画には含まれていないと同氏は述べた。
もう1つ言及しておくべきオプションがある。それは、Amazonなどのサードパーティー企業が販売できる3カ月のサブスクリプションだ。Morris氏は、「Pottery Barn(米国の家具、雑貨店)のギフトカードを買うような感覚だ」と述べた。
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