「タイタニック号」沈没から100年--氷山衝突事故を避ける技術の進歩

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年04月14日 07時30分

 「Titanic」の建造者は、同船が沈むことは決してないと豪語していたと言われている。それを考えると、100年前にこの有名な旅客船を海底に沈ませたような事故が再び起きることはないと主張するのは危険だろう。

 しかし、1912年4月15日に起きた悲劇から間もなく100年を迎えようとしている今、現代科学およびテクノロジと、海上での危険に対する大幅な意識の高まりを合わせれば、そのような(少なくともTitanicと同規模の)悲劇が今後発生する可能性は極めて低い。

 もちろん、氷山はもはや船乗りにとって危険なものではない、ということではない。氷山は間違いなく危険だとMike Hicks氏は言う。同氏は海洋学者であり、米沿岸警備隊の1部門である国際海氷パトロール(IIP)でチーフサイエンティストを務めている。

 IIPは1913年以来、北大西洋(世界の冷水航路の多くがある)における変化し続ける氷山の状態の監視を担当してきた。同部門はカナダ氷層局と協力して「日々の氷山分析」を発表し、航路の先にあるかもしれない危険な氷山について、最新情報を船長たちに伝えている。

 「われわれは安全記録に大変な誇りを持っている。われわれの警告に耳を傾けた船舶で、氷山に衝突したのは1隻もない」(Hicks氏)

 とはいえ、氷山のシーズンは毎年訪れる(一般的に2月上旬から早くとも6月まで。9月までずれ込むことはない)。そして、そのシーズン中には、往々にして、北大西洋を航行する船舶に危険が迫る。Hicks氏の説明によると、IIPはそのシーズン中、毎日警告を発令して、船舶が回避する必要のある「氷山の境界線」を図で説明するという。

 Hicks氏によれば、こうした警告は、沿岸警備隊の航空機から送られてくるすべての報告や、グランドバンクにある石油生産資産からのデータ、北大西洋上をさまざまな方角に航行する船舶からの情報を基に作成されるという。IIPはすべての情報を受け取った後、そのデータを使って、氷山が現れそうな場所とそこにとどまる期間を予測するコンピュータモデルを生成する。

1912年にTitanicの悲劇が起きた直後から、米政府は北太平洋航路を管轄するほかの機関と連携して、危険な氷山の回避を支援する新しいテクノロジを利用し始めた。
1912年にTitanicの悲劇が起きた直後から、米政府は北太平洋航路を管轄するほかの機関と連携して、危険な氷山の回避を支援する新しいテクノロジを利用し始めた。
提供:U.S. Coast Guard

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