「タイタニック号」沈没から100年--氷山衝突事故を避ける技術の進歩 - (page 3)

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年04月14日 07時30分

 とはいえ、氷山は航路上やその周辺に実際に出現する。氷山のシーズン中は特にそうだ。

 「航路に流れてくる氷山の数は年ごとに大きく変動することが分かっている」とHicks氏は述べた。「大西洋の航行に影響を及ぼす氷山の数は、氷山が移動する仕組みに影響を及ぼす複雑な海洋学的および気象学的プロセスと極めて大きな関連性があるのを確認している」(Hicks氏)

レーダー

 Hicks氏は同時に、大半の船舶がレーダーを搭載するようになったことや、海上にいるときでもオンラインにアクセスして衛星画像を見られるようになったことも、氷山に衝突する危険性が低下した要因だと述べた。

 Scambos氏も、航行中の船舶の安全を維持するうえで、レーダーと衛星インターネットの両方が大きな役割を果たしていることに同意している。すべての船会社が最新式の機器に投資しているわけではないが、大半は巨大な氷山の発見に必要な設備を整えているという。

 加えて、海洋学に対する一般的な理解も、船員が氷山の集まる冷たい海流を避けるための備えとなっている。

 もちろん、レーダーなどのテクノロジは、船長がそれを適切に使用している場合に限って効果を発揮する。そして、能力不足が原因で発生した海難事故の例は枚挙にいとまがない。

 しかし、Hicks氏とScambos氏はともに、テクノロジの進歩と氷山の危険の監視に向けられた多大な努力によって、海上の船舶は、少なくともTitanicのような事故からはかつてないほど安全になっていると主張した。

 「Titanicが沈没したときと比べると、われわれは現在、はるかに優れたシステムを備えている。ただ、(氷山は)今でも問題だ。仮にわれわれのシステムがなくなったら、氷山衝突事故は増えるのだろう。沈没の可能性も高まる」(Hicks氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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