「Metro」モードとデスクトップモードの両方で動作可能な「Windows 8」版「Firefox」が、完成に一歩近づいた。
Mozillaは先週、Windowsの新インターフェースであるMetroモードで機能するブラウザを作り出した。MozillaのBrian Bondy氏は自らのチームの進歩について記した米国時間4月2日のブログ投稿で、このプロトタイプのルックアンドフィールはAndroid版に似ており、さまざまな機能が実際に動作すると述べた。
「ウェブの閲覧やタブの作成、ウェブページのブックマーク登録、履歴の構築、キャッシュの保持、設定の変更などが可能だ」(Bondy氏)
さらに、このプロトタイプはWindows 8に組み込まれた統合機能の一部も利用できる。ユーザーはMetroのスナップ機能を使って、ほかのMetroアプリをFirefoxの隣にスナップし、両者を左右に並べて表示させることが可能だ。
同ブラウザは、ユーザーがデフォルトの検索エンジン経由でURLやテキスト文字列を検索できるようにするWindows 8のSearch Charmも活用できる。また、電子メールやTwitter、Facebook、そのほかのアプリを通してウェブページをほかのユーザーと共有できるShare Charmにも対応している。
しかし、Windows 8のリリース後に厄介な事態を招くかもしれない、重大な難題が存在する。
MozillaはMicrosoftのガイドラインに沿って、Windows 8版Firefoxを「Metroスタイル対応デスクトップブラウザ」として開発している。その用語は、単一のブラウザが「Metro Start」画面とデスクトップの両方で完全に機能することを意味する。
しかし、ここに落とし穴がある。このような挙動が可能なのは、デフォルトのブラウザだけだ。デフォルトに設定されていないWindows 8のブラウザは、デスクトップアプリとしてのみ動作する。タイルを作成して、Start画面からローンチすることは可能だが、ブラウザはデスクトップでのみ開かれる。
「Internet Explorer 10(IE10)」とFirefox、「Google Chrome」がすべてMetroスタイル対応デスクトップブラウザとして設計された場合、両方のモードで動作できるのはデフォルトのブラウザだけなので、多くのブラウザ開発者は不満を感じることになるだろう。
Bondy氏は、「ブラウザがMetroをサポートしなければ、デフォルトブラウザの地位を失い、その結果として多くの市場シェアも失う重大なリスクに直面する。Metroをサポートしないブラウザがデフォルトに設定されると、ユーザーのコンピュータからMetroブラウザを完全に奪ってしまうことになる」と説明した。
もっとも、Windows 8では、搭載されるIE10がデフォルトのブラウザに設定される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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