結局のところ市場に投入されなかったMicrosoftのデュアルスクリーンタブレット「Courier」の精神は、「iPad」で息づいている。そして、その精神を維持しているのは、解散したCourierチームに所属していた複数のメンバーだ。
FiftyThree Inc.は、「Paper by FiftyThree」と呼ばれるiPad向けの新しいコンテンツ作成アプリの開発元で、同社を率いるのはMicrosoftのCourierおよび「Xbox」の設計や開発を以前に担当していた人たちだ。Courierに似たアプリは今週、Taposeからも登場している。Taposeは、MicrosoftでCourierをかつて擁護していたJ Allard氏が支援する企業だ。
Courierは、Microsoft社内にある最先端技術開発チームのプロジェクトとして開発されていたデュアルスクリーンタブレットだったが、同社の上層部は2010年春、同プロジェクトの中止を決定した。インターフェースという観点から見ると、CourierはFranklin Coveyのシステム手帳を強化したような外観だった。Microsoftはその後、Pioneer Studiosを2011年5月に閉鎖した。Pioneer Studiosは、「Xboxや『Zune』『Mobile』、そして、それ以外のさまざまな新興分野を含むMicrosoftのエンターテインメント事業向けに、ブランドが牽引する消費者体験」を構築する任務を帯びていた。
MicrosoftのPioneer Studios部門は、Courierプロジェクトの陣頭指揮を執っていた。そして、同部門で以前働いていた複数の設計者と開発者がFiftyThreeで再び姿を現した(同社のウェブサイトによると、社名は「頭、心臓、手を魔法のようにつなぐ53cm」に由来するという)。FiftyThreeのメンバー紹介ページによると、同チームには以下の人物が含まれている。
元Microsoftの最高体験責任者で、2010年(Courierプロジェクトの中止が決まったすぐ後)に同社を去ったAllard氏は、Pioneer Studiosを先頭に立って支持した幹部だった。Allard氏は、Courierに似たiPad向けアプリケーション「Tapose」の開発に関して、アドバイスと金銭面での支援を行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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