日本マイクロソフトは3月9日、東京・千代田区で「東日本大震災初期対応における連携事例 〜 グッドプラクティスと課題の共有」をテーマに「震災とICTカンファレンス」を開催した。
東日本大震災後1年となる時期を迎え、当時の対応方法や課題をあらためて振り返り、得られた知見や反省を教訓として学び、日本の今後の災害対応や、あらゆる状況を想定した対応力を考え、論議することを目的としている。
また、米国本社で米国とカナダ以外の世界的事業を統括するMicrosoft InternationalのプレジデントであるJean-Philippe Courtois氏が「〜海外における『新しい公共』と連携〜」との表題で基調講演した。
日本マイクロソフト代表執行役 社長の樋口泰行氏は、カンファレンスの冒頭で「震災発生直後から復興活動に取り組んできたが、ネットワークにつながっていること自体の重要性を再認識した。また、復興の現場で、いわゆる縦横計算のニーズが多く、表計算ソフトのExcelが活用された。パソコンとネットワークはなくてはならないものになっているとあらためて感じた。我々は(米国)本社と連携しながら、いろいろなスキームを活用して復興支援を続けてきた。ICTという得意分野を活かして災害復旧に貢献し、各方面と連携して期待される役割を果たしていきたい」と語った。
Courtois氏は「Microsoftは世界的な活動をするなかで、各地のコミュニティでさまざまな災害、あるいは悲惨な出来事に見舞われた人々を支援してきた。幾多の復興、再建事業に関わるなかで、我々は学び、どうすれば変化を起こすことができるかを考えてきた。こうした経験を積み重ねて、今回のような惨劇、危機が訪れたとき、活かせるのではないかと我々は考えている」と話す。
ハイチでは2010年11月にマグニチュード7.0の大地震が発生、社会インフラが崩壊し、人口の25%に相当する230万人が家を失った。同社は大地震に先立ち国連人道問題調整事務所と連携、One Responseと呼ばれるポータルサイトを開設しており、人道支援団体がシームレスに情報交換できるようにしていた。ハイチの危機の後、即座にこれが活用された。
東日本大震災では、日本の文部科学省は放射線量のモニタリングサイトを、経済産業省は復興再建のためのデータベースを設けた。「これらは国民のニーズに短時間のうちに応える施策の好例であろう。我々は今後世界で災害が発生した場合、これまでの経験をさらに活かしていきたい」と、Courtois氏は語った。
日本では今、経済社会の復興に向けて懸命に努力している。インフラをいっそう改善し、国民の要望に応えたサービスを提供していく必要性が高まるなか、地方行政と企業が連携することができたひとつの例として、Courtois氏は米フロリダ州マイアミ市の例を挙げた。
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