ビットワレット、KDDI、大日本印刷(DNP)は3月6日、無線通信の国際規格であるNFCのType Aプロトコルを用いた、サーバ管理型の電子マネーシステムのプロトタイプを共同開発したと発表した。このシステムはNFCの次世代電子マネーシステムの研究の一環として開発されたもの。3社は技術検証の結果、NFC機能搭載のスマートフォンにも同システムを実装できることを確認したとしている。ただし、現時点での実装時期は未定だ。
基盤となる電子マネーシステムをサーバ管理型にしたことで、決済時にリアルタイムでユーザーの購買履歴や嗜好、店舗情報を分析することが可能。これにより、ユーザーの嗜好に最適化されたクーポンや広告、割引サービスを提供できるという。例えば、電子マネーでおにぎりを買ったユーザーには飲料水のクーポンを送るといったことだ。
また、これまでは加盟店に対して決済金額や決済件数などの売上還元データを提供するのが一般的だったが、同システムでは、加盟店が自ら店舗周辺のユーザー分布や購買傾向、売れ筋商品など、必要な情報をデータベースから抽出・分析できるようになるという。
ビットワレット システム部門システム企画部プロジェクト推進課の鈴掛亘氏は、今後日本国内でも主流となる可能性のあるNFCに対応し、サーバ管理型の電子マネーシステムを採用することで、「国内と海外の垣根を取り払う、そしてネットとリアルの垣根を取り払う、こうしたボーダレスで革新的なモバイルペイメント環境を提供する」と語る。
3社は同システムの実用性を確認したことで、今後、電子マネーサービスの利用範囲をO2O(Online to Offline)サービスの領域に拡大させたいとしている。
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