ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)は2月28日、同社が保有する資本政策データベースをもとに作成した、国内未公開ベンチャー企業の2003~2011年の資金調達額ランキング上位30社の業種別の状況についてのレポートを発表した。レポートによると、ランキング上位30社の業種別シェアは、2000年代前半のIT関連から、中盤はバイオ・ヘルスケア関連、後半の環境関連といった業種シフトが見られることがわかった。
2003年以降、IT関連企業が社数、調達金額ともに減少する一方で、2000年代半ばにはバイオ・ヘルスケア関連の企業が多数上位にランクインした。2007年には上位30社のうち半数以上の17社を占めるまでになったが、これをピークに減少に転じ、代わって2008年以降は環境関連企業が台頭した。
環境関連企業は1社あたりの調達金額が大きいことが特徴で、2010年にはランキングの2~4位を占めた。2011年には社数は減少したが、エリーパワーが約140億円を調達し1位となった。サービス関連企業も、2005年にユー・エス・ジェイが250億円を調達、楽天銀行が2008年の約230億円をはじめ2005~2009年に大型増資を行うなど、調達金額ベースでのシェアを大きく占めている。
IT関連企業は近年、増加に転じている。一般にIT関連企業は多くの資金を必要としないため、調達額上位30社に入る企業は少ないが、2007年以降は上位30社の企業の調達金額が減少し、ランクインのハードルが下がったことから、2011年には10社がランクインした。特にビットウェイの44億円、gumiの22億円の調達など、大型増資が多くなった。
IT関連企業に加え、他業種でもビジネスモデルにネットを利用した企業が多くの資金を集めるようになり、IT関連またはネットを利用したビジネスを行っている企業のランクインは年々増加し、2011年は6割に達した。これは2005年の3倍、2010年の倍の水準だという。
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