NTTドコモは2月21日、2011年から続いている一連のネットワーク障害への対策について進捗状況を発表した。同社は2011年8月と12月、2012年1月にspモードメールの障害を起こしたほか、1月25日にはパケット交換機の切り替えによる通信障害を起こしている。また、総務省より再発防止策を含む対策を早急に実施し、3月30日までにその実施結果と今後の取り組みを報告するよう行政指導を受けていた。
ドコモでは、行政指導を踏まえた再発防止策の一環として、2月19日までにspモードの信頼性向上に向けた対策を実施。具体的には、パケット交換機から端末へIPアドレスを通知するタイミングを見直し、IPアドレスの不一致が発生しない接続手順に変更した。また、故障を起因として輻輳したメール情報サーバの代わりに新たに開発したメール情報サーバを導入した。
全国のパケット交換機の処理能力の総点検も実施した。ドコモによれば、制御信号数および同時接続数ともに現時点では安定して運用できる状態であることを確認しているという。今後は、トラフィックの急増を考慮して、リソース使用率の高い交換機エリアから優先的に設備増設を行うとしている。
さらに、5000万台のスマートフォンに耐えうるシステムを構築するため、処理能力・処理方式の再検証を実施。2月15日までに、ISP基盤とサービス提供基盤の独立性を確認したことで、システム構造上の拡張性に大きな問題がないことを確認したほか、今後強化すべき設備を特定したとしている。
今後は、spモードシステムの対策として、バーストトラフィック対策を4月下旬と8月上旬に実施するほか、再検証結果を踏まえたサーバソフトの見直しによる処理能力の向上やネットワーク機器の設備増設を12月末までに実施する。
またパケット交換機の対策としては、8月中旬までにパケット交換機のリソース配分の最適化を行い、処理可能な信号処理数を向上させるほか、12月末にはアプリ通信にともなって発生する制御信号の抑制を検討する。なお、ドコモでは制御信号の抑制に向け、約700社のアプリ事業者にモバイルネットワークに配慮したアプリ設計の協力を求めたとしている。
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