ニコンとニコンイメージングジャパンは2月7日、有効画素数36.3メガピクセルのデジタル一眼レフカメラ「D800」シリーズを3月22日より発売すると発表した。
D800シリーズは、新開発のニコンFXフォーマットCMOSセンサと、デジタル一眼レフカメラに最適化した新画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載。さらに91Kピクセル(約9万1000ピクセル)RGBセンサの採用によって撮影シーンの認識性能を向上させた「アドバンストシーン認識システム」や、「FXベースの動画フォーマット」と「DXベースの動画フォーマット」の使い分けができる「マルチエリアモードフルHD Dムービー」などの機能も搭載している。Dムービーは、APS-Cサイズ相当(DXベース)とフルサイズ(FXベース)相当の動画をD800 1台で撮影できる。FXベースでは被写界深度の浅いボケ味重視の動画撮影に有効で、DXベースは映画用の35mmフィルムに近い画角で撮影できる。
D800シリーズはD800(市場想定価格:30万円前後)と光学ローパスフィルタを無効化した「D800E」(同:35万円前後)の2モデルがラインアップする。光学ローパスフィルタは偽色やモアレを抑制する役割を担う代わりに、解像感を若干低下させるという特性も持っている。D800Eでは、光学ローパスフィルタの無効化により立体的で空気感や臨場感のある画像を表現でき、鮮鋭感を求められる風景や美術品などの撮影に有効としている。
発売日はD800が3月22日、D800Eが4月12日。サイズは約高さ123mm×幅146mm×奥行き81.5mmで、重さは約1000g(バッテリおよびSDカードを含む、ボディーキャップを除く)。液晶モニタは3.2型TFTで約92万ドットだ。
なお、D800とレンズ「AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR」を組み合わせた「D800 28-300 VRレンズキット」(同40万円前後)もラインアップする。発売は3月22日。
ニコン 映像カンパニーマーケティング本部第一マーケティング部ゼネラルマネージャーの笹垣信明氏は「商品企画にあたっては、つねに新しい価値を提案していきたいと思っている。今回は緻密なカメラ。圧倒的に高精細で、(広角で撮影した図書館の写真を示しながら)拡大しても一冊一冊の本がきれいに写り、床のカーペットの柄も緻密に再現可能。これは中判デジタル一眼レフカメラや中判デジタルバックに匹敵する解像感」と説明し、いままで撮れなかったような写真が撮れるとアピールした。製品のサンプル画像は、同社のウェブサイトで見られる。
ニコンのラインアップには最も有効画素数が高い製品として24.5メガピクセルを搭載する「D3X」があるが、ユーザーからさらに高解像なカメラが欲しいという要望が多く寄せられていたという。笹垣氏は「特に風景写真を撮る方やスタジオで物撮りをされる方から要望をいただいている。そういった用途には役に立つのではないか。D3Xのときもそうだったが、新しい機能を搭載することでカメラマンが新たな使い方を切り開くことを経験している。今回も想定以上の使われ方がされ、創造が広がっていくのではないかと期待している」と語った。
なお、2月16日発売を予定していたデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル「D4」の発売を3月15日に延期することも併せて発表された。「生産が追いつかず、十分な製品を用意できない状況になっているため」(ニコンイメージングジャパン 取締役社長 五代厚司氏)と説明した。
D800シリーズほか、コンパクトデジタルカメラとしてCOOLPIXシリーズ8機種も同時に発表された。いずれの機種も「CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2012」で実機を展示し、一般公開される。
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