ソニーは、2012年3月期第3四半期(10~12月)の連結業績を発表した。先進国における市場環境の悪化や、タイの洪水の影響などを受け、売上高は前年同期比17.4%減の1兆8229億円、営業利益は917億円の赤字となった。
第3四半期累計(4~12月)では、売上高が前年同期比12.6%減の4兆8927億円、営業利益が同2731億円の黒字から658億円の赤字に、税引き前四半期純利益が同2731億円の黒字から827億円の赤字になる。
赤字要因としては、タイの洪水による直接被害、為替の悪影響、先進国事業の環境悪化などを挙げている。
中でも857億円の損失を計上したコンスーマープロダクツ&サービス(CPS)分野は、液晶テレビが販売台数で前年同期比の24%減になる600万台という厳しい状況になった。ただし11月に開催した第2四半期の業績発表時からは「サムスン電子との液晶パネル会社S-LCDの合弁を解消し、新たな関係の中でテレビの収益を改善するステップが生み出されている」(執行役EVP CFOの加藤優氏)と改善していることを強調した。
またゲームも減収減益となったが、12月に発売された「PlayStation Vita」が想定通りの売上を達成したとのこと「まだ日本とアジア数カ国での発売だが上々の滑り出し」(加藤氏)と今後の動きに期待を寄せる。
100%子会社化を発表したソニー・エリクソンは、売上高が前年同期比15.7%減の12億8800万ユーロ、税引き前利益が2億3300万ユーロの損失となった。スマートフォンの売上は増加したものの、それ以外の端末の売上が減少したこと、またスマートフォンが価格競争の悪影響を受けたことなどが要因だという。
ソニーでは、2012年3月期の通期連結業績予想を、売上高は6兆4000億円、営業利益は950億円、当期純利益は2200億円のそれぞれ赤字へと下方修正している。
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