矢野経済研究所は1月17日、国内のソーシャルゲーム市場に関する調査の結果を発表した。調査によると、2011年度の国内ソーシャルゲームの市場規模は前年度の1.8倍となる2570億円で、2012年度は同1.3倍となる3429億円に拡大する見通しとなった。
現在、大手ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で提供されているソーシャルゲームは4000タイトルを超える氾濫状態にある。だが、「版権もの」と呼ばれるIP(Intellectual Property:知的財産)タイトルを中心とした売れるものと、売れ難いものとに二極化しているという。コンシューマーの人気タイトルを移植したゲームや有名キャラクターを起用した新作ゲームなど、知名度の高いIPタイトルを有する大手ゲームパブリッシャーに有利な市場環境になっているようだ。
課金収入は現時点ではフィーチャーフォン経由が大半を占め、スマートフォン経由は全体の1~2割程度に留まると推定されている。今後はユーザーの主要端末がスマートフォンに全面的に移行すると推測されることから、大手SNS事業者はマルチデバイス対応を推し進めている。有力な海外SNS事業者との業務提携や子会社化、海外開発拠点の発掘など、積極的な海外展開を図っており、国内外におけるスマートフォン向けタイトルのマネタイズの成否が今後のソーシャルゲーム市場発展の大きな焦点になるとみられる。
調査は2011年10~12月に国内のSNS事業者やソーシャルアプリプロバイダー、ゲームパブリッシャー、ゲームディベロッパー、オンラインゲーム事業者を対象に実施された。ソーシャルゲーム市場規模は、ユーザーがソーシャルゲームの利用対価として支払った金額の合計として算出されたもので、広告収入は含まれない。
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