高音質を追求した巧みの“初モノ”--2012年の注目ヘッドホンは?(第3回)

 ヘッドホンの最新トレンドやおすすめを紹介する第3回目。ここまで、スマートフォン対応、スポーツタイプ、Bluetooth対応といった機能を中心に紹介してきた。最終回は新製品が数多く発表され、再度注目の集まるバランスド・アーマチュアモデルと、新たなヘッドホンへの試みが投入された2011年の「初モノ」モデルを紹介する。

最注目となったバランスド・アーマチュア型モデル

 一般的な売れ筋から見れば、カナルタイプのヘッドホンはダイナミック型ドライバが現在の主流ではあるが、ソニーのバランスド・アーマチュア型ドライバ搭載モデルの大量発売により、新たな盛り上がりを見せてくれそうだ。

  • ソニー「XBA-4SL」

 バランスド・アーマチュア型のメリットは、小型ボディに高音質技術を盛り込めることや緻密な音の表現ができることなどが挙げられる。これまでは、各社ともに高級機のみに採用されていたバランスド・アーマチュア型だが、今回のソニーモデルを含め、徐々に値ごろ感のある価格帯にも採用されるようになってきており、最注目ジャンルと言えるだろう。

 ソニーの新製品でチェックしておきたいのはやはり、ドライバを4基搭載した最上位モデルの密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-4SL」。フルレンジ×1、ウーファー×1、スーパーウーファ×1、トゥイータ×1という構成で、同社独自技術により高感度、高解像度再生を実現。深みのある低域から鮮やかできめ細かい高域まで、全帯域に渡って豊かな音を再現してくれる。

  • Shure「SE535 Special Edition」

 一方、バランスド・アーマチュア型モデルの定番的な存在となっているshureでは「SE535 Special Edition」を押さえておきたい。高域用シングルトゥイータと低域用デュアルウーファの高精度なトリプルMicroDriverを搭載した「SE535」をベースに、筐体をレッド、コードをライトグレーにしただけでなく音質も強化。日本市場向けに高域を強調するチューニングを施し、高域表現を進化させるなどまさに特別仕様だ。なお、コードの長さも、通常モデルに比べ短くポータブルオーディオに合わせやすい116cmに変更されている。

  • AKG「K3003」

 また、AKGが放つリファレンスクラス・3ウェイ・カナルイヤホン「K3003」も見逃せない。カナルタイプの型式の常識を覆す合わせ技となる、バランスド・アーマチュア型とダイナミック型の両ドライバを業界初搭載。バランスド・アーマチュア型をそれぞれ高域と中域に、ダイナミック型を低域用に使用。革新的な情報量とワイドレンジ化を実現している。主要パーツに高精度ステンレスを採用し、好みの音質に微調整が可能な「メカニカル・チューニング・フィルター」を用意するなどハイクラスの仕上がりとなっている。

 いずれのバランスド・アーマチュア型も、ドライバユニットの数が増えるほど音質は強化される、という見方でほぼ間違い。よく聴く音楽などに合わせて選びたい。

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