すでに成熟市場といった感のあるヘッドホン。しかし、2011年はそんなイメージを覆すかのように、新カテゴリや初投入といったモデルが登場した。この1年を振り返りつつ、新たな年に買い足したいおすすめヘッドホンを3回に渡って紹介する。
スマートフォンの人気はヘッドホン市場も賑わせる結果となり、通話や操作に対応するモデルが大幅に増加。それと同様に、スマートフォンにBluetooth機能が標準化されていくことで、Bluetooth機能を利用したワイヤレスヘッドセットもこれまで以上に製品ラインアップが増えている。さらなる利便性も獲得したモデルも続々発売されるなど、スマホとともに新たなロードマップが開かれた印象だ。また、一部機種では操作や通話ができるようになるなど、スポーツ向けのヘッドホンもさらにブラッシュアップ。全体的には防水性能が上がり、運動時に活用できるプラスα機能を持ったモデルが出てきている。
オーディオ的見地から見ると、2011年12月にソニーが同社初となるバランスド・アーマチュア・ドライバ搭載モデルを大量投入。新機軸の打ち出しはもちろん、入手しやすい価格帯のものから選べるなど、市場の中心にあるカナルタイプだけに今後の台風の目となりそうだ。
ここでは、激動と言える2011年のヘッドホントレンドを振り返りつつ、新たな年に買い足したいおすすめのモデルを3回に渡って紹介する。第1回は、大きなトレンドの一つとなったスマートフォン対応ヘッドホンだ。
2010年は、「iPhone」の操作や通話が手元でできる、専用の3ボタン式リモコンを付属したモデルが急増したが、2011年は「iPhone」だけでなく、スマートフォンに対応する製品が多く発売された。スタイルは大きく2タイプに大別される。コードの途中に操作や通話が可能な、1ボタン式のマイク付きリモコンを付属する両耳タイプと、機能やマイクをイヤホン部に集約させた、コードのない片耳タイプだ。
はじめての人でもトライしやすいモデルとしては、イメーション「TH-ECAS250」や日立マクセル「HP-SP03」あたりを挙げておきたい。いずれ両耳タイプで、手元操作の恩恵を充分に体感できる。TH-ECAS250は、TDK Life on Recordブランド「CLEF-SMART(クレフ・スマート)」シリーズのカナルタイプで「GALAXY」や「iPhone」などの操作や通話に対応。アルミ切削ボディを採用し、レスポンスの良い音が特長だ。
一方、HP-SP03は遮音性の高さを訴求したカナルタイプ。音もれを軽減し遮音性を向上する「インナー遮音コート」を採用。ボタン操作で電話の着信応答、通話終了ができるマイク付きリモコンを搭載する。
2011年の後半になると、高付加価値モデルも徐々に登場。クリプシュ初となるAndroid携帯対応型イヤホン「Image S4A for Android」は、Android 2.1以降に対応する付属の専用アプリをインストールすることで音楽再生や通話などが可能にる。両耳のカナルタイプで、通常の「Image S4」をベースにしたキレのある高音と量感の豊かな中低音など、優れた音質も魅力的だ。
また、片耳タイプで代表格となりそうなモデルも発売された。定評ある音質とデザインで独自の地位を獲得しているボーズから、「Bose Bluetooth headset Series 2」が登場。独自のデュアルマイクロホンシステムにより、騒音や風切り音を低減するだけでなく、周囲の騒音レベルに合わせて受話音量を自動調整するなど、状況に合わせて快適な音を提供してくれる。この第2世代機では音楽や動画、アプリなどさまざまなコンテンツも楽しめるようになった。左耳用、右耳用それぞれ用意されているのもうれしい。
量販店などでは、ヘッドホン売り場だけでなくスマートフォン売場にも隣接されることが多くなり、目にする機会も増えている。値ごろ感のある価格帯のものが中心となっているが、紹介したモデルをはじめ、自分の欲しい機能を見極めて選択したい。
次回は、より装着感をアップさせたスポーツタイプと、スマートフォンの普及により一気に対応製品が増えたBluetoothタイプのヘッドホンを紹介する。
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