本記事では、企業幹部向けのリーダーシップコーチである筆者が、2012年にわれわれの生活に影響を与えるであろうトレンドを予測し、それらについて解説する。
ある経済学者から聞いた話だが、ほとんどの人々にとって国内の失業率はさほど重要な数値ではないのだという。この経済学者は「個人にとって重要なことは、自分自身が失業中か否かということである。彼らの行動を左右するのは、他の人々の雇用状況ではなく、自らの状況である場合がほとんどなのだ」と述べている。
多くの人々にとって、2011年は辛い1年であった。このため、年の瀬が近づくにつれて、こういった状況から抜け出したいという思いがこみ上げてくるはずだ。しかし2012年の「予測」は、昨年12月に行った2011年の予測よりもさらに難しいものとなっている。
今年も残すところ後わずかになった。にもかかわらず、企業や人々に影響を与えるさまざまなものごとが起こり続けている。明るいニュース(例えば米国株式相場の大幅上昇)を目にする週がある一方で、その翌週にはEUの行く末をはじめとする、世界の見通しに影響を及ぼすような憂慮すべきニュースを目にするような状況なのである。
たいていの国において、ほとんどの人々は自らの仕事上の、あるいは個人的な状況のなかで最善を尽くそうとしている。つまり、懸命に前へ進もうとしているわけだ。たとえそういったことが思い通りにならなくても、何とか後退しないですむよう努力を重ねている。以下では、2012年にこういった人々の生活に影響を与えるだろうと筆者が予測する6つのメガトレンドを挙げている。
欧米各国の経済が低迷を続けることで、その他多くの国々(すべての国ではない。この点については次の項目を参照)における、ほとんどの業界が影響を受けることになる。欧米各国のほぼすべての国民が生活水準の低下を感じるようになり、貧富の差もさまざまな地域において広がっていくだろう。中産階級の不満が高まるため、抗議運動が増え、変化を求める声も大きくなっていくはずだ。
中国の市民や政治家たちは、どこに行っても歓待されるようになるだろう。彼らは1980年代の日本人や、それ以前の米国人のように羽振りがよくなり、1人当たりが自由に使う金額も多くなる。また、中国政府も海外への関心を高めつつある。彼らが今後、旅行先でかつての高額消費旅行者に散見されたような見苦しい振る舞いをしないよう願うばかりである。
地球温暖化の原因については人によって意見が分かれているとはいえ、異常気象が増加する一方で、資源の有効利用がなされているとは言い難いという点については、ほとんどの人が同意するはずだ。最前線に立つ多くの企業は努力を重ねており、大手ブランドのなかにはコンシューマーに対してリサイクルという選択肢を提供しているところもある。北京の大気汚染対策や、サンタモニカ市におけるビニール袋規制条例はさておき、平均的な市民の間ではリサイクルを促進する必要性についての意識がさらに高まっていくことだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」