ミスタータディは12月15日深夜、メガネ専門のECサイト「Oh My Glasses」のクローズドベータ版サービスを開始した。事前登録ユーザーに対し、招待制で順次サービスを案内していく。
Oh My Glassesでは、日本のメガネフレームの90パーセントを生産する福井県鯖江市産のメガネを中心に、約20ブランド、約800種類のメガネをラインアップ。2011年春までに約2000種類までラインアップを拡大する予定。
通常メガネは顔に合わせてフィッティングが必要となるため、ECで取り扱うのは難しい商品だ。Oh My Glassesではこれに対して、定価販売、国内送料無料、14日以内の返品無料(返品にかかる手数料や送料含む)でサービスを提供する。また今後はフレームを試着できる「ホームトライキット」や提携する小売店でのフィッティング、カスタマーセンターでのサポートなどを提供する予定。顧客の満足度を重視した展開を進める。
ミスタータディは、7月の設立。代表取締役社長の清川忠康氏は、UBS証券投資銀行を経て、経営共創基盤に参画。さまざまな分野で事業再生に取り組む中、「再生という切り口ではなく、新しいものを生み出すことに挑戦したい」(清川氏)という思いからスタンフォード大学でMBAを取得。ソフトバンクやUBS証券投資銀行を経て、サイジニアの経営企画を担当していた取締役最高執行責任者の六人部生馬氏と共同で創業した。
自身でも30本以上のメガネを所有するという清川氏。同氏も気に入っているという鯖江のメガネについて「ハウスブランドは無数にあるのに、販路がなくて厳しい現状がある」と説明する。安価な中国、韓国産フレームなどが流通したことで、鯖江のメガネ関連事業の売り上げは最盛期に比べれば下落しているのだという。「シェアも取られ、毎年のように倒産している。 日本の古き良き伝統技術を若い力で盛り上げていければ」(清川氏)
ITとはあまり関わりのなかった業界だったため、当初は職人らとの交渉にも苦労したというが、顧客至上主義のサービスで「メガネ業界のZapposを目指す」(清川氏)という。アパレル以上にハードルが高いとの声もあるが、海外を見れば米国の「Warby Parker」やドイツの「MISTER SPEX」、イギリスの「Glass Direct」など、人気を集めるメガネのECサイトも登場している。
Oh My Glassesではソーシャルによる口コミの波及にも力を入れる。Facebookなどと連携して、友人の薦めるフレームを自分の顔写真と合成してバーチャルな試着ができる「ソーシャルフィッティング」といった機能も提供する予定。「メガネは購入頻度の低い商品。普通は2年に1回程度しか購入しないので、エンゲージメントが必要。そのためにソーシャルでユーザーを巻き込むことは重要。友人が薦める機能などで、『その1本がここにある』というサイトを目指す」(六人部氏)
ミスタータディでは、サービス開始に先駆けてB Dash VenturesやImproVista、個人投資家から資金を調達している。金額は非公開だが、数千万円~1億円程度に上るという。
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