これは意外なニュースだ。Amazonが、ラスベガスに拠点を置くオンライン小売業者で、独特の企業文化で有名になったZappos.comを株式交換によって買収することで合意した。Zapposは創業当初は靴のみを販売していたが、その後、ほかの製品にも手を広げている。
最高経営責任者(CEO)のTony Hsieh氏はZapposに投稿したメモで、「今朝、われわれの取締役会は買収を承認し、『正式契約』の書類に署名した。正式契約では、Zapposの既存の株主と投資者の全員(計100人以上)が、所有するZappos株をAmazon株と交換することが定められている」と述べた。「株式の交換完了後は、AmazonがZappos株の唯一の株主となる」(Hsieh氏)
これまで、Zapposは株式非公開企業だった。
Amazonは、正式なプレスリリースで、より詳細な情報を公開している。それによると、Amazonは同社の普通株約1000万株(約8億700万ドルに相当)と引き換えに、Zapposの全発行済み株式を取得するという。さらに、この買収取引では、4000万ドルの現金と制限付き株式がZapposの従業員に支給される。買収手続きは、2009年の秋に完了する見通しとなっている。
Hsieh氏は「われわれは、Zapposブランドとカルチャーの成長を実際に加速させる大きなチャンスがあると考えている。そして、われわれはそれをより短時間で実現するうえで、Amazonが最高のパートナーだと信じている」とメモに記して、自身とZapposのほかの幹部は取締役会にとどまる予定であると付け加えた。「Amazonは、われわれがZapposブランドと独自のカルチャーを維持しつつ、独立した存在としてビジョンの拡大に取り組み続けるのをサポートする」(Hsieh氏)
Hsieh氏は、その風変わりな経営手法のために、テクノロジやマーケティング関連のカンファレンスで頻繁に講演を依頼されるようになった。Hsieh氏は、従業員に「Twitter」を勧めたり、就職内定者にZapposの採用の申し出を断らせるために2000ドルを提示したりしているほか、顧客サービスや無料配送、返品を最優先事項に挙げている。
「ご承知のとおり、われわれが最も大切にしていることの1つは、コミュニケーションによって、オープンで誠実な関係を築くことだ。もしそうすることが可能であったならば、わたしはZapposがAmazonと協議していることを、もっと早い時期に皆にお知らせしただろう。そうしていれば、われわれが経てきた決定プロセスに、すべての従業員がかかわることができたからだ」とHsieh氏は書いた。「残念なことに、Amazonは株式公開企業であるため、証券取引法によって今日までこれを従業員の多くに話すことができなかった」(Hsieh氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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