また「キウイフルーツのカロリーはどのくらいか」とSiriに聞いたときには、46キロカロリーという回答と一緒に、キウイの全栄養素のグラフを表示してくれた。
わたしがある調べものをしていたとき、2007年のMicrosoftとAppleの時価総額と利益に関する資料を見つけようとしていら立っていた。苦し紛れに(なかば冗談で)Siriに2007年のMicrosoftの利益について尋ねると、驚くべきことにWolfram Alphaのデータに基づく答えが得られた(Wolfram Alphaはキウイに関する情報源でもあった)。そこからWolfram Alphaのウェブページに(自分のコンピュータから)たどり着いて完全なデータを調べたのだが、Siriは確かに大きな「アハ体験」をもたらしてくれた。
Siriはまた、近くの医者を探したり、映画の開始時間を調べたりするのにも役立ち、「明日は雨が降るかな」といった質問で天気のデータを呼び出すこともできる。Siriはまだ通常の話し方を理解できないことも多く、GoogleやWolfram Alpha、Yelpのような無料で利用できるデータへのアクセスによって制限を受ける。しかし、Appleはこれまでに市場に出回ったものよりずっとアプローチしやすいVUIで、何ができるかを示した。Siriは、ほとんど一般大衆向けのIBM Watsonのようだ。
Siriについて重要な点の1つに、一般的な検索結果のページとGoogleの間を、どう中抜きをしているかということがある。Siriは可能性のある検索結果の選択肢を示す代わりに、ユーザーの質問に対して1つの信頼できる答えを返そうとする。Googleはリストアップされた検索結果のページ項目の脇に、広告主が広告を置けるようにすることで稼いでいるため、Googleの会長Eric Schmidt氏がSiriを競争上の脅威であると話すのも当然だろう。
Appleが自然言語VUIへの扉を開き、新しい可能性を示したことで、本当のゲームが始まった。GoogleとMicrosoftがSiriに追随し、AndroidとWindows Phoneにも同様の機能を追加するだろうことは疑いない。どちらの会社でも、多くのエンジニアが音声技術に取り組んでいる。これは、VUI界のリーダーであり続けたければ、AppleはSiriの改善と革新を素早く行う必要があるということを意味している。Siriは、2つの領域で大きな改善を必要としている。1)音声認識を改善し続ける必要がある、また、2)Siriにより多くの情報源を与え、統合する必要がある。
現在は、Siriが質問に対する答えを持っていない場合、代わりにその質問を通常のモバイル用ウェブ検索にかけている。このやり方は、長い間は持たないだろう。検索エンジンを所有しているGoogleとMicrosoftが行うであろう統合のレベルを考えれば、なおさらのことだ。SiriはWolfram AlphaやYelpが現在行っているような、サービスへのウェブ検索の緊密な統合を必要としている。
Appleには、3つの選択肢がある。構築、買収、または提携だ。
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