ニワンゴは12月12日、動画共有サービス「ニコニコ動画」が、2006年12月12日のサービス開始から5周年を迎えたことを記念し、六本木のライブハウス「ニコファーレ」でユーザーを招いた新サービス発表会を開催した。
発表会には、ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏や、同代表取締役社長の小林宏氏、同取締役の夏野剛氏などが出席し、ニコニコ動画の歩んできた5年間を振り返るとともに、今後の取り組みなどを説明した。なお、オープニングから参加する予定だった同取締役の西村博之氏(ひろゆき)は寝坊を理由に約40分遅刻した。
サービス開始以来、「(β)」「(γ)」「(RC)」「(RC2)」「(SP1)」「(夏秋冬)」「(ββ)」「(9)」「(原宿)」とバージョンアップを重ねてきたニコニコ動画だが、5周年を契機に、原点回帰の意味を込めた「(ZERO)」にバージョンアップする。また、バージョンアップに向けて動画サイトを中心としたサービスを大幅に見直していくという。
次期バージョンの詳細は、2012年4月28~29日に幕張メッセで開催される大型フェス「ニコニコ超会議」で発表される予定で、4月29日からサービスを開始する。その間にバージョンアップに向けた新機能や新サービスを追加していく。
原点回帰に向けた取り組みの第1弾としてニコニコ動画内のカテゴリを再編。“御三家”と呼ばれる「アイドルマスター」「東方」「VOCALOID」を「殿堂入り」カテゴリから開放したほか、全カテゴリを合算した総合ランキングを復活させた。
ドワンゴ代表取締役社長の小林氏は、4期連続で赤字だったニコニコ動画が黒字に転じ、約2505万人(12月12日時点)の会員を抱えるサービスへと成長したことを喜びつつ、「5年でちょうど1周かなと。原点回帰はスタート地点に戻るわけではなく2周目に入るという意味合い」と語る。
また、ユーザーが動画作成に必要な素材を投稿し共有できるサービス「ニコニ・コモンズ」もリニューアル。これまで、投稿された動画を元にした派生作品をツリーのような形で表示する「コモンズツリー」を提供してきたが、リニューアルにともない、対象を既存の素材ライブラリから、ニコニコ動画とニコニコ静画にも拡大し「コンテンツツリー」として提供する。
コンテンツツリーでは、すべての作品の参照関係を表示するため、投稿者はコンテンツツリーを通じて創作の元となった作品(親作品)の作者に感謝の思いを伝えられるほか、自分の作品が生まれた歴史を作品の閲覧者に示すことができる。
ドワンゴ代表取締役会長の川上氏は、「もともとニコニコ動画はいい加減な動画をあげていた。真っ黒とか音しかない動画とか。それらをみんなで協力して作っていたが、最近は投稿動画のレベルが高すぎる。みんなでもう一度作っていこうというのがコンセプト」と語る。
また、クリエイターの創作活動を支援する取り組みとして、投稿作品の人気度などに応じて奨励金を進呈する「クリエイター奨励プログラム」を開始する。同プログラムに動画を登録してから3カ月間、動画が削除されずに公開され続ければ、奨励金を現金またはニコニコポイントで受け取れるようになるという。
ニワンゴでは、今回の発表会を「ニコニコ動画5周年記念新サービス発表会(仮)」と位置づけており、今後もバージョン(β)のサービス開始から5周年の2012年1月15日に同発表会(β)を、バージョン(γ)のサービス開始から5周年の2012年3月6日に同発表会(γ)を開催し、段階的に新機能などを発表していくとしている。
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