どういった人たちがスペースを利用しているのだろうか。小笠原氏は、「スタートアップやこれから起業するという人が多い。何かを始めるときには一線で活躍している人たちに触れたり自身のアイデアをブラッシュアップしていける場所が大事だ。『自身で何かをやってやりたい』という独立心をもった人を歓迎したい。(起業や今の事業に)もやもやしているのであれば、まずは話を聞くから、というスタンス」と語る。
またNOMADでは、ベンチャーキャピタリストやインキュベーター、士業など対象にした「パトロン会員制度」を設けている。彼らとコミュニケーションをとることで、利用者のさらなるビジネス機会の創出を狙う。「パトロン会員になって頂いく方々はビジネスの最前線で活躍している人たちがほとんど。そうした人たちは様々な『ハブ』になれる人たちでもある。彼らは利用者に対してビジネスをどう進めていくかなど、アドバイスやスクーリングをおこなってくれる。法務規約など士業関係の分野はまだまだスタートアップの人たちは不足している。そういったケアを、パトロンの方たちと一緒にやってビジネスを盛り上げていく、まさにコワークだと考えている」(小笠原氏)
12月に立ち上がったばかりのスペース。小笠原氏は今後の展開について「僕自身がコワーキングという働き方を知って数カ月。まだまだ立ち上がったばかりなので、色々と模索していきたいと考えている」と語る。都内をはじめとしたコワーキングスペースとも協力関係を作っていくという。「ほかのスペースは競合ではない。相互に連携しながら利用者にとって快適な場所が提供できたらいい。コワーキングを利用する人は、1つの場所に留まらず、複数のスペースを利用すると考えている」(小笠原氏)。ほかにも、スタートアップが一同に介してデモをする日を設けたり、ハッカソンなど短期間で集中して何かを作り出すようなイベントにスペースを利用してもらうことなども考えているという。
コワーキングスペースで利用者間のコミュニケーションを図ると同時に、仕事のための快適な空間を作りたいと考える小笠原氏。様々な働き方が生まれる中で、どうやってビジネスをうまく軌道に乗せていくか。場所だけでなく、働き方や仕事に対する問題解決などの糸口を探す場所として、なにかこれから始めようと考えている人にとってふさわしい場所とも言える。
◇注目集める「コワーキング」
クリエーターのための作業の場--渋谷「co-ba」
自然に交流できる実験の場--下北沢オープンソースCafe
利用者を触媒に情報やアイデアを共有する経堂「PAX Coworking」
ソーシャル時代の新しい働き方「コワーキング」--日本最大級スペース「SSI」も公開
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