“通る企画書”の書き方(4)--相手目線の構成に仕上げる

田中裕明(ビジネスITアカデミー)2011年12月10日 09時00分
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 企画書や提案書を作成する上でまずは知っておきたいポイントに続き、伝わるメッセージを書くためのポイント、分かりやすい資料にするためのメッセージの要約と図解やグラフ化について紹介してきました。最終回となる今回は、プレゼンを想定した仕上げ方についてご紹介します。

 第3回までに作った企画書や提案書を使って相手に説明をしなければいけません。その際の説明の場を想定して仕上げる必要があります。

 企画書や提案書は、誰に説明するかによって内容や構成が変わります。もちろん、どのような場で説明するのかによっても変わります。企画書や提案書には正解がありません。どのようにすればよいのかは、その時々によります。

 そこで、仕上げに際してはどのようなタイプの相手に説明をするのかをまず想定します。つまり、以下のようなことです。

  • 決裁権を持っているかいないか
  • 結論指向かプロセス指向か
  • 細かいか大雑把か
  • 提案内容についての知識はどの程度か
  • 相談型か依存型か

 ただ、厳密に定義する必要はないでしょう。相手のタイプを踏まえ、どのようなことに興味を持ち、どのような質問を投げかけてくるのかを想定することが大事です。

 そして、模擬プレゼンを行ってください。同僚や上司に提案相手になってもらうのもよいと思います。しかし、なかなか時間がとれないことがあると思います。その場合は、自分自身でプレゼンを行ってみることでも矛盾や不足情報、余分な情報を確認することができます。ちなみに、私はいつも風呂と電車の中で模擬プレゼンを繰り返します。

 その模擬プレゼンを通じてスライドの並び順の無理や矛盾、そして不足している情報、不要な情報を見つけ修正しています。

 並び順は、相手が知りたがる順番に並べることがよいでしょう。例えば、30%削減との説明の後に予想される質問は何でしょうか。人によって異なるとは思いますが、「どうやって(方法)」「いつからどれくらいの期間で」といったことが想像されます。その説明を終えると、「コスト」や「リスク」に関する質問が想像できるのではないでしょうか。

 これらの想定質問に答えるに十分な内容になっていない場合は、修正や追加を行います。逆に余計な情報があれば削除していきます。

 また、スライドには含めなくても、バックデータとして用意するものも出てきます。数字の根拠を問われたときなどに用意することが多いです。

 また、自分自身で行う模擬プレゼンには重要なことが含まれています。資料を見ずに提案や企画内容を説明できるようになるということです。提案書や企画書は相手のために用意するものです。資料がないと説明できないということは、説明者自身が、企画や提案内容を把握していないのではないかと疑いたくなります。

 そのような時、間違っても提案や企画の思いや熱意を感じることはできません。

 ここまで、4回にわたって企画書の書き方について述べてまいりましたが、最後に、もう一つ重要なことをお伝えします。それは、作成に時間をかけないということです。

 提案日の直前に完成したのでは、十分な推敲ができません。特にビジネス経験が少ない方においては、先輩や上司の助言が非常に大事なものとなります。その意味でも、早期にレビューしてもらえる状態にすることが大事です。これが企画や提案のレベルを上げ、成功率を向上することになります。

 そして、短時間につくるためには以下のようなサイトを利用することをお勧めします。

デザインテンプレート

クリップアート

 時間をかけるべきは企画や提案内容の検討です。それをまとめた資料は短時間に作ってこそ効果を最大化します。

 この点を大事にして企画書や提案書を作成すれば、きっとうまくいくことでしょう。

“通る企画書”の書き方(1)--企画や提案書の本質を知る

“通る企画書”の書き方(2)--伝わるメッセージを書くためのポイント

“通る企画書”の書き方(3)--要約や図解・グラフ化で分かりやすく

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田中裕明
1981年有明高専電気工学科卒業。
外部記憶媒体・装置メーカー・PCメーカー・IT資格企業を経て、2008年6月にビジネスITアカデミーを設立。著書に、「パパッと作るA4一枚の企画書報告書」「ビジネス力が身につくExcel&Word講座」がある。
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ビジネスITアカデミー
企業研修サイト:http://bit-a.jp/
個人向けセミナーサイト:http://www.bit-a-seminar.jp/
スキルチェックサイト:http://skill-check.org/
2008年6月設立
金融、商社、生保、証券、アミューズメント、製造など幅広い企業に、実務を改善するための研修や、個人向けにセミナーを提供。ExcelやAccessによるツール/システム開発も受託。2011年毎日新聞デジタル社の注目企業50社に選ばれる(http://mainichi50.jp/bit-a)
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