東芝は12月8日、インドネシア、インド、マレーシアなど新興国市場における市場概況を説明した。テレビ、PC、タブレットなどの製品を現地のニーズを汲み取ったローカルフィット商品として積極展開していく。
東芝デジタルプロダクツ&サービス社社長の大角正明氏は「ローカルフィット商品とずっと言い続けてきたが、これをさらに拡大し、新興国でのプレゼンスを高めていきたい」と新興国市場について話す。
同社では、1月にエジプトで液晶テレビ製造合弁会社を設立したことをはじめ、3月にはチリ、ペルー、コロンビア、7月にはアルゼンチンで販売会社を設立。6月にはインドにおけるテレビ現地生産を開始するなど、拠点整備を進めてきた。平行してインド、インドネシア、ベトナムでは、地域のニーズに応えた商品を開発するという意味でR&Dセンターを立ち上げた。
製品別では、2010年11月に投入した「Power TV」が順調に推移しているとのこと。「2011年秋にHV10、PB2/PB20、PS20の3シリーズを第2世代として投入した。一番小さいサイズは19インチ。インドをターゲットに14インチブラウン管テレビからの置き換えを狙う」(大角氏)という。
日本市場で人気のある超解像技術に関しても、新興国向けにカスタマイズした「Auto Clean」機能を備える。これは電波の弱い地域でもきれいなアナログ放送を視聴できるというもので、超解像技術に近い新たなノイズ低減技術を採用しているとのことだ。
こうした製品戦略から、テレビの販売シェアはベトナムで6月にトップシェアを獲得したほか、インドネシアでシェア20%超を達成するなど、好調な伸びを見せている。
PCでは、音量、音質を改善した「Satellite C600」シリーズを展開する。これはPCで動画、音楽を楽しみたいという新興国でのニーズに応えて改善を加えたもの。低価格帯でシェアを拡大しているという。
大角氏は「ローカルフィット商品の開発を加速させるため、新たな切り口としてローカルサービスを商品に搭載する」と、新展開を話す。これは市場に根ざした各種ローカルサービスを商品に搭載することで、差異化を目指し、需要に合った市場を創出するという施策。第1弾製品として、地元の大手メディア企業「コンパス・グラメディア」と提携し、独自のアプリを搭載したタブレット端末「REGZA Tablet AT1S0」をインドネシアで12月15日から発売するという。
東芝では、ローカルフィット製品とサービスという新興国戦略を展開し、新興国におけるデジタルプロダクツ販売台数の構成比を2011年度の32%から2013年度は50%にまで引き上げるとしている。
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