長年の間、バグやバグつぶし、そして一般的な意味でのソフトウェアに関わってきたのなら、いっそのこと開発者になって自分でコーディングを始めるのはどうだろうか。わたしが知っているプログラマーの多くは優秀で、長時間働き、仕事に身を捧げている人もいる。プログラマーと、管理者やコンサルタントの最大の違いは、プログラマーのストレスと頭痛の種は非常に限定的で、1つか2つの大きな問題しか関係していないということだ(コードがコンパイルできない、機能を追加する必要がある、など)。プログラミングの方が、コンサルティングや管理よりも簡単で、ストレスが少ないなどとウソを言うつもりはない。しかし、あらゆる建物のあらゆる角から襲ってくる問題の山に対処する必要がないことは確かだ。ただし、問題の難易度は別問題だ。
コンピュータのソフトウェアとハードウェアの世界で、もっとも大きな問題の1つは、ドキュメンテーションだ。ソフトウェアとハードウェアの市場は常に進化しているため、本やマニュアルが出た時には、もう古くなっている。これはつまり、それらのマニュアルが常に更新され、書き直され、新しくされる必要があるということだ。自分のスキルを活用し、自分のブランドを確立するとよい。ソフトウェア、ハードウェア、またはプロトコルのマニュアルを書こう。あるいは、自分が書けるブログを探そう。コンピュータユーザーは数え切れないほどおり、そのほとんどは、自分がやっていることを理解していない。世界はコンピュータマニュアルやハウツーのよい書き手を必要としている。なぜなら、メーカーがそういう文書を作ってくれないことが分かっているからだ。
わたし自身は今後も経営する側として働くことは決してないだろうが、多くの管理者やコンサルタントはこの分野に向いている。これは、自分の事務所やワンマンショーを運営して、それを回していく必要があったコンサルタントには特に言える。そういうタイプの人は、経営者に必要な営業、運営、コミュニケーションのスキルを持っている。ただしこれは、ある頭痛の種を、別の頭痛の種と交換しようとすることだというのは理解しておく必要がある。
企業は調査研究によって成長するものであり、これにはテクノロジー企業も含まれる。研究開発部門は、自分たちの分野を理解していない人を必要としない。管理者やコンサルタントであれば、戦場の最前線にいたはずだ。物事がどう動くべきかも、実際にはどう動くかも知っている。また、現実世界のニーズも、企業が創り出したニーズも知っている。IT業界で次の目玉となる技術を作ろうとしている企業にとっては、そういう知識はとてつもなく価値がある。もちろん、研究開発は主に大企業でしか行われていないため、採用されるには、人事担当者の机の上に積まれている履歴書の山を勝ち抜く必要がある。これさえ切り抜ければ、完璧な組み合わせになるかも知れない。
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