これまでに少なくとも何回か、もう少しで仕事を辞めそうになったことがある人は手を挙げて欲しい。遠慮しなくていい。IT業界が、世の中でもっともストレスが高い業界の1つであることは、誰もが知っている。そして残念ながら、大学では日々を切り抜ける術を教えてはくれない。この記事では、愛するIT業界のキャリアを離れる決断をする理由になり得る要因について考えてみよう。
IT業界の仕事など楽なものだなどと言う者がいたら、決して許してはならない。IT分野では、ストレスのない職は珍しい。なにしろ、ITとは災害管理なのだ。顧客やユーザーがわれわれに電話をかけてくるときには、ほぼ間違いなく直ちに対処する必要のある緊急事態だ。そして、その作業に取り組むときには、間違いは許されない。さもなければ、契約や自分のクビを失うことになりかねない。さらに悪いことに、ストレスはほとんど途切れることがない。われわれは常に、さらに頑張り続けなくてはならない。
もし、出勤は月曜から金曜までで、夕方の5時に終わる仕事に就きたいのなら、別の業界を当たるべきだ。IT分野の仕事は、まるで年中無休かと思えるほどの忙しさだ。職場(や現場)にいる時間も他の職業に比べて長いが、職場の外でも、常にスキルアップし、他の人に後れを取らないようにする必要がある。そして、顧客やユーザー以外の人たち(例えば友人や家族)までもが、われわれの知識を利用し、コストをかけずに自分のコンピュータを快適に動かしたいと思っている。
個人の請負契約で働く人にとって、もっともストレスが大きい問題の1つは、支払いを受け取ることだ。わたしは、支払いを受けるために、脅迫をしたり弁護士を雇ったりしなくてはならなかったコンサルタントを数多く知っている。フリーランスであれば、支払いを受け取れなければ、食べていけない。そういった立場の人にとって、これは非常に大きなストレスだ。定期的に入ってくる収入の恩恵を受けることはできない。顧客との関係をできるだけ良好な状態に維持するには、自らの対人スキルを磨く必要がある。確実に支払いを受け取るためには、(それほど人がよいとは言えない人々とも)よい関係を長く保っていかなくてはならない。
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