「Adobe Photoshop」のユーザーは、同ソフトウェアへの支払い方法を慎重に考えるべき時が来ている。Adobe Systemsは、同社の幅広い製品を対象とした、年間600ドルの新しいサブスクリプション契約にユーザーを移行させるために、アップグレードの割引価格の対象を狭めようとしているからだ。
サブスクリプション契約は、期間ごとの支払いによって、ユーザーにソフトウェアを使用する権利を与えるもので、近年は部分的に成功している状況だ。Red HatはLinuxと関連サーバソフトウェアでサブスクリプションを成功させているが、Microsoftのサブスクリプション価格に対する熱意は、主に「Office 365」といったオンラインサービスで高まっているようだ。
ソフトウェア大手Adobeは、レイオフや、「Flash」事業に損害を与えるウェブ標準のために苦境に陥っており、「Adobe Creative Suite」(CS)製品のサブスクリプションで大きな賭けに出ている。しかし、一部のユーザーはこの変更を歓迎していない。
11月になって、Adobeはアップグレードとサブスクリプションの新しい料金体系を発表した。しかし、この問題に多くの人が警戒し始めたのは、それからしばらくたった米国時間11月21日、National Association for Photoshop ProfessionalsのプレジデントScott Kelby氏が、Adobeへの公開書簡で異議を唱えたときだった。
Kelby氏はAdobeに対し、「Adobe Photoshop CS5」をすでに所有するユーザーのみが「Adobe Photoshop CS6」の発売時に低価格でアップグレードできるという同社の姿勢を見直すよう求めた。同氏は、これは間違っていると述べている。
Adobeが市況の検討結果に基づいてビジネス上の決定を下す必要があることは理解できるが、この新しい価格体系を導入するタイミングは、Adobeのユーザー(とわれわれのメンバー)にとって、明らかに不公平だと感じる。その理由は、事前に発表がなかったことだ。製品のライフサイクルがほとんど終わりになるまで発表がなかった。今になって、リリース時にCS6を割引価格で買いたくなるだろうということで、たった数カ月のためだけにCS5を買わせようとしている。CS5を買わなければ、一度もAdobeのユーザーだったことがないかのように、全額を支払わなければならない。
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