Kelby氏の投稿はAdobeに対する多くの反感を生み、本稿執筆時点で300件以上のコメントがついた。顧客の強い反発を招いたNetflixやBank of Americaの価格変更を例に挙げた人もいた。
Paul Wright氏は次のように不満を表明している。「特に今のような経済状況にあれば、多くの企業がソフトウェアや各種機器、車、カメラなどを2~3サイクルおきにアップグレードするだろう。この強制的なアップグレードは、Adobeの顧客基盤を支えている個人や小規模企業を不当に扱うものだ。評判や信用は、時間をかけて苦労の末に得られるものだが、一瞬にして消え去ることもある」
Doug Evans氏は、「われわれEvans Cooling Systemsでは、Adobeのソフトウェアを3カ所にインストールしており、アップグレードの予算はない。AdobeとAutodeskの製品を使っているが、アップグレードパスを優先しているので、Adobe製品の代わりになるもの(Phase Oneの『Capture One』や、『QuarkXPress』など)を探してきた」と言う。
Photoshop CS5の無期限ライセンスの価格は、フルバージョンが699ドル、アップグレード版が199ドルだ(Photoshopのバージョンナンバーは複雑かもしれない。現在のCS5バージョンはさまざまなCS5.5スイートの一部になっている)。
Adobeは5月にCS5.5を発売した際、サブスクリプションプランの提供を開始し、ユーザーが月払いか年払いをすることでソフトウェアにアクセスできるようにした。例えばPhotoshopの料金は、月額49ドルまたは年額348ドルだ。一方、Adobeのほぼすべての製品が含まれる「Master Collection」スイートでは、月額199ドルまたは年額1548ドルとなっている。
これらの価格が無期限ライセンスの価格にどれだけ近いかを考えれば、サブスクリプションプランに移行する理由はあまりない。確かに、支払いを続ける限りアップグレード費用はかからないが、その反面、支払いをやめればそのソフトウェアを使うのもやめなければならない。
しかし、先ごろベータテストに入ったばかりのさらに新しいプラン「Adobe Creative Cloud」が開始されれば、こうしたサブスクリプション価格は、もっと説得力があるものに見えてくるだろう。
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