ITが職場や生活の場に浸透した今、うまく利用して共存できているのなら問題はない。しかし、利用方法を間違えて「依存」してしまうことで、「IT中毒」にかかっている可能性がある。本書はITのデメリットにまで目をつぶり疲弊する職場に警鐘を鳴らす一冊だ。
著者は、主に企業を対象とするITのプロとして、ITの利用方法について見直し、良質なアナログ時間を取り戻すことを提案している。ITなら何でもできるとばかりに導入した結果生まれた「被害者」をIT中毒から立ち直らせるために、「IT断食」までも推奨する。
まずは、どの程度ITに依存しているのかを調査することから始まる。その後「処方箋」に基づいて、職場全体でIT断食に取り組む。IT断食とはすなわち、人と人との対話を中心としたコミュニケーションを再発見するということだ。
IT断食によって、ITがなくても済む業務と、ITに向いている業務を明確にし、お互いの「ベストミックス」を探っていく。結果的に、本当に効率の良いやり方を確立し、会社の業績を伸ばすのが狙いだ。少し頭で考えれば出る結論のために、何時間もデータ入力をしているような状況にあるのなら、IT断食を検討する価値はあるだろう。
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