KDDIウェブコミュニケーションズ(KWC)は11月15日、クラウドサービスの新ブランド「CloudCore」の設立を発表した。あわせて第1弾サービスとなる仮想プライベートサーバ「CloudCore VPS」の提供を開始した。
CloudCoreは、中小企業をターゲットにした新ブランド。同日都内で開催されたKWC代表取締役社長の山瀬明宏氏は、3月11日の東日本大震災以降、オフィスのサーバをデータセンターに移行したいというニーズ、データをバックアップ、分散するといったニーズが高まってきたと説明する。
しかしその一方で、クラウドの導入にはネットワークの深い知識が必要なため、クラウドサービスを利用できる技術者の人件費など、導入費用の面で課題があると語る。SIerを使うような大企業にとっては、クラウドの導入によってトータルでのコストは下がるために問題ない。しかし、中小企業やスタートアップでは、初期費用が高ければ利用できない。CloudCoreでは、技術者が現状のスキルで利用できる、かつ安価なサービスを提供することで、中小企業のクラウド利用を促進するという。
同日より提供するCloudCore VPSでは、Linuxカーネル仮想化基盤のKVMをベースにした完全仮想化環境を自社で開発。CPU1コア、メモリ2Gバイト、ディスク容量100Gバイトのスペックの仮想プライベートサーバを提供する。また、仮想マシン(VM)イメージのバックアップやリカバリ機能も備えるほか、今後は利用可能OSについてもFreeBSD、Solarisなど拡張していく予定だ(現時点ではCentOS 5.6のみ)。また、自社サーバや他社クラウドとのコンバートツールや、リモートコンソールなども提供していく。
料金は初期費用無料、月額945円(キャンペーン適用価格)から提供する。「(スペックは)ちょっと前の専用サーバ並み。コストパフォーマンスでは世界一を自負している。是非とも無茶な使い方をして欲しい」(KWC SMB事業本部ホスティング事業担当副本部長の角俊和氏)
12月15日には、第2弾サービスとして、「CloudCore Hybrid」を提供する予定。CloudCore Hybridでは、顧客の要求に合わせて物理専用サーバや仮想サーバ、各種のネットワーク機器を組み合わせたクラウドソリューションを提供する。目的に応じて構成例をテンプレート化して用意するほか、同社スタッフによるサポートまでを用意する。
年内にもリモートコンソールと利用OSの拡充を実施するほか、2012年3月までにサービスのプラン追加、メモリやディスク等の拡張対応、VM世代管理機能などを提供。同年春から夏に向けてはAPIの提供やコンバートツールの公開を進める予定。
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