[ウェブサービスレビュー]ネットで補正や装飾ができるアドビの画像編集サービス

アドビ システムズ
内容:「Photoshop Express Editor」は、アドビ純正の画像編集サービスだ。本家のPhotoshopの機能のうち、日常のスナップ編集作業に便利な機能をピックアップしており、切り抜きや色調の補正、さらには吹き出しの追加といった装飾をネット上で行うことができる。

 「Photoshop Express Editor」は、Photoshopの発売元として知られるアドビ純正の画像編集サービスだ。本家のPhotoshopの機能のうち、日常のスナップ編集作業に便利な機能をピックアップし、ブラウザ上で利用可能なツールとして無料で提供されている。ソフトのインストールなどは不要だ。

 基本的な流れとしては、「画像をアップロード」「編集」「完成した画像をダウンロード」となる。アップロードできるのはJPEGのみで、1ファイルあたりのサイズ上限は16Mバイト。1人あたり2Gバイトの領域が用意されており、ID登録をすることで編集中の画像をオンラインに保存できる。またFlickrやPicasa、さらにはFacebookなどに画像を保存することも可能だ。

  • 「Photoshop Express Editor」トップページ。インターフェースはすべて日本語化されている

  • まずは写真をアップロードする。ID登録をしておけば、保存済みの画像を呼び出すことも可能

  • アップロードした画像が表示された。左ペインから操作メニューを選択するとキャンバスの上下に可能な操作がアイコンで表示される

 利用できる機能は以下の通り。

  • 基本機能:切り抜き/回転、サイズ変更、自動補正、露光量、赤目修正、微調整、彩度
  • 調整機能:ホワイトバランス、ハイライト、補助光効果、覆い焼き、焼き込み、シャープ、ソフトフォーカス
  • 効果:推奨、ピクセレート、カラーを強調、色相、白黒、着色、スケッチ、変形
  • 「切り抜きと回転」。切り抜きサイズはフリーフォームのほか一定比率が用意されている。回転はマウスドラッグで行える

  • 「サイズ変更」。ピクセルサイズの入力のほか、メールやサイト貼り付けに適したサイズもプリセットされている

  • 「自動補正」。プリセットされた候補から選ぶ方式。このほか露光量の変更も行える

  • 「微調整」は、画面の一部領域を別の領域に貼りつけてゴミなどを取るためのツールだ

  • 「彩度」。全体を色鮮やかにしたり、あるいは彩度を落としてモノトーンにすることが可能

  • 調整メニューでは「ホワイトバランス」「ハイライト」「補助光」など画像全体のトーンを調整するメニューが用意されている

 同種サービスである「NAVERフォトエディター」と比べると、覆い焼きや焼き込みなど、本家ならではの調整機能の豊富さが売りだ。もっとも、ヒストグラムやガンマ曲線を表示してスライダで調整したり、パラメータを直接入力することはできず、提示されるいくつかの候補の中から選んでいく方式を採用しているのは、同社の有料ソフト「Photoshop Elements」との差別化をはかるためだろうか。

 気になるのは、範囲選択という概念がないため、例えば画像の一部分だけにモザイク処理をかけたり、バケツツールで部分的に塗りつぶしたりといった加工ができないこと。このあたりは本来のPhotoshopのコンセプトに沿って、オリジナルの写真をいかに美しく見せるかという機能に特化している印象だ。Photoshop Elementsに誘導するための方策とも考えられるが、さきのNAVERフォトエディターでは実現できている機能だけに、知らずに使うと戸惑うこともありそうだ。

 一方、NAVERフォトエディターにはない機能として、装飾用のメニューも用意されている。テキストや吹き出しの挿入のほか、付箋を貼るといった処理も可能なので、表情豊かなイメージを作成できる。ブログやSNS、写真共有サイトに載せる画像を事前に加工する用途にはぴったりだといえる。

 履歴も使えて初期化も可能、作業中に元画像を一時的に参照できる機能も備えるほか、ズーム操作もシームレスに行えたりと、使い勝手自体はすぐれている。ソフトがインストールされていない環境で、誰かに見せる写真を見栄えよく補正するための方法の1つとして活用したい。

  • ドラッグした部分を明るくする「覆い焼き」、暗くする「焼き込み」はベータ版として提供される

  • 「シャープネス」「ソフトフォーカス」も用意される。いずれもプリセットされた複数の候補から選ぶ方式で、数値入力はできない

  • 効果メニューとして「ピクセレート」=いわゆるモザイク処理や、「水晶」が提供されている。画面の一部にだけ適用することはできない

  • 特定の色を強調する「カラーを強調」や、色相を変更する「色相」、さらに「白黒」「着色」などが用意される。メニューによってはスポイトツールも利用可能

  • フィルタ系のメニューとしては「スケッチ」のみが用意されている

  • 「変形」ツールは、部分的にゆがませたり魚眼レンズのような効果が得られる。「変形」という言葉から連想される、四辺をドラッグして画像の傾きを変えるツールではない

  • 装飾メニューでは「テキスト」「吹き出し」「付箋」を追加できる。日本語入力にも対応しているが、フォントの種類や文字サイズの自由度は必ずしも高くない

  • キャラクターなどの画像を挿入するメニューも用意されているが、日本向けのテイストとは言えず、実用度はあまり高くはなさそうだ

  • 編集が完了すると、ローカルへの保存、オンラインへの保存(配信)、FlickrやPicasa、Facebookなどへの保存が選択できる

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]