「われわれは著作権侵害を減らしている」。そう述べるのは、10年間サブスクリプションサービスを提供しているRhapsodyでプレジデントを務めるJohn Irwin氏だ。「それこそが問うべきことだ。こういった音楽の消費者にわれわれがサブスクリプションサービスを提供しなければ、彼らはどこに行って音楽を入手するというのか」(Irwin氏)
複数の音楽レーベルの情報筋によれば、RhapsodyやSpotifyのような企業は、著作権侵害行為対策への取り組みを支援しているという。
Irwin氏は、アーティストには販売する方法を選択する権利があり、同氏はそれを尊重すると述べた。ただし、サブスクリプションサービスは、今まさに勢いをつけようとしているところだ、と付け加えた。Irwin氏は、著作権侵害問題と、iTunesとの本当の意味での競争を見いだせていない音楽業界の現状を理由に、アーティストはこの分野に発展のための時間的な猶予を与えるべきだと提案する。
そうなると、当然出てくる疑問は、どの程度の時間が必要なのかということだ。Rhapsodyには10年の歴史がある。Spotifyは2008年に設立された。批判されているのは、Spotifyのアーティストへの支払いが常に極めて少額だったということだ。一部のアーティストは、もう十分見てきたという。
ダークロックバンドBlack Tape For A Blue Girlのメンバーであり、ニューヨークのインディーズレーベルProjektのオーナーでもあるSam Rosenthal氏(43歳)は、米CNETに対し、同氏のレーベルの楽曲すべてを7月にストリーミングサービスから削除したと語った。
「彼らが支払う金額は、芸術に価値があるという考え方を支持するものではない」とRosenthal氏は語り、Spotifyが同氏に支払った額は、各曲の再生ごとに10分の1ペニー少々だったと付け加えた。Rosenthal氏の曲が合計5000回再生された場合、同氏が受け取るのは6.5ドルだという。89万2000回の再生で、1カ月の最低賃金と同額の支払いになると同氏は述べる。
iTunesを手放さないでいく、と同氏は言い足した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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