リリース前製品の紛失、そして、社員が警官になりすました疑いなどを背景にAppleは、同社セキュリティ担当幹部を退職に追い込んだと、消息筋が明らかにした。
元米連邦捜査局(FBI)員で2007年にAppleに入社する前はPfizerに勤務していたJohn Theriault氏は、Appleでセキュリティ部門を統括していたが、Appleではその間、重要な企業秘密が複数漏えいしていた。
Theriault氏にコメントを求めたが直ちに応じてもらえなかった。また、Appleの広報担当者はコメントを拒否した。Theriault氏の退職については、9to5mac.comが最初に報じた。
Appleのセキュリティ面での問題は、2010年3月に始まった。当時、Appleのエンジニアが「iPhone 4」のプロトタイプをカリフォルニア州レッドウッドのバーで紛失した。同プロトタイプは、2人の男性の手に渡った後、ブログGizmodoに売られた。同ブログはその後、このプロトタイプについて詳細を報じている。
米連邦捜査員は2010年8月、AppleのグローバルサプライマネージャーのPaul Shin Devine容疑者の自宅を捜索したところ、現金を隠した靴箱を複数発見した。Devine容疑者は、Appleに関する情報を納入業者に売り、それらの業者がより良い条件でAppleと交渉できるようにしていた。同容疑者は、電信詐欺、資金洗浄、謀議、リベートの受け取りなどの罪で告発されている。
セキュリティに関する問題の最新例は、7月に発生している。リリース前の携帯端末がまたもや紛失し、同端末を2名のApple調査員が探している時に起こった。
米CNETが8月に報じたように、Appleのセキュリティ担当者がサンフランシスコ警察を訪れ、同社社員が「値が付けられないほど価値がある」リリース前の携帯電話をバーで再び紛失したと話し、同電話を電子的に追跡した結果としてサンフランシスコのバーナルハイツ地区にある家に行き当たったと伝えた。
Apple従業員が私服警官とその家を訪れた際、Sergio Calderon氏(22歳)は、同端末が紛失した夜にバーにいたことを認めたが、同端末については知らないと語った。
Calderon氏の弁護士であるDavid Monroe氏は、米CNETに対して、Calderon氏が警察バッジを見せられ、同氏の家、自動車、コンピュータの調査に協力しないと、捜査令状を取ることになるだろうと伝えられていたことを述べた。Monroe氏によると、Calderon氏は調査に同意したが、それがApple社員によって行われるとは知らなかったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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