2005年に登場した三洋電機の充電池「eneloop」は、購入後すぐに使えるなどの優れた技術力とともに、今までの電池にはなかったシンプルなデザインが話題となった。発売から6年が経ち、充電式カイロやネックウォーマーといった「eneloop universe products」や限定版など、eneloop関連商品は大きく拡がりを見せる。発売当初からeneloopのデザインを手がける三洋電機強化事業推進本部eneloopユニバース事業推進グループデザイン部担当部長の水田一久氏にデザインの背景を伺った。
アイデア自体は、2010年に発売した「eneloop tones glitter(エネループトーンズグリッター)」の時からあったんです。glitterはキラキラと派手にしたので、今回はシックにいってみようと思いchocolatを商品化しました。
チョコレートカラー自体は2011年のトレンドカラーにも選ばれていて、BMWがトラサルディとコラボしたスペシャルモデルなどを公開しているんです。大人をターゲットにしたラグジュアリー感のあるデザインで、そのテイストを盛り込んでできたのがchocolatになります。
ユーザーの飽きが来ないように、デザインの切り口は毎回ジャンプさせています。前回は「キラキラの電池なんて絶対にできない」と思われているところにポンと完成品を出すことでインパクトを与えることができました。今回は少しシックなデザインにすることで、男女問わず大人のユーザーを想定して作りました。
ただeneloopらしさみたいなものは常にベースにありますね。シンプルさだったり上品さだったり。それは感覚的なものなんですけど、自分の中でブランディングはしています。glitterについてもキラキラのさせ具合はギリギリのラインがあって「これ以上はダメ」というところで仕上げました。
--パステルカラーの「eneloop tones」、glitter、chocolatと限定版を発売されてきましたが、ユーザーの反応はいかがですか。「いいね」といってくださる方もいる一方で「eneloopらしくない」というご意見の方もいて賛否両論ですね。私自身デザインは賛否両論あった方がいいデザインだと思っているのでご意見をたくさんいただけてうれしいです。
限定版をデザインするときにいつも心がけているのは、お客様に喜んでもらいたいということなんです。だから毎回驚きを与えたい。「こんなの絶対できないだろう」というデザインにチャレンジしています。ただやりすぎてはいけない。eneloopが持つ上品さやシンプルさの中に、シックとかかわいいといったデザインを盛り込んでいます。
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