飲食店と人をおいしい写真でつなげる--飲食店経営者が生んだアプリ「miil」

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 FacebookやTwitterをはじめとしたソーシャルサービスの基盤が整備され、データの流れがよりリアルタイムなものに移行しつつある。さらにデバイスもPCからモバイルへと変化を遂げるなか、確実に変化しているものがある。それは「写真」を使うコミュニケーションだ。

 フォトコミュニケーションの存在感を強く示したのはやはりiPhoneと「Instagram」の黄金コンビだろう。かっこいい写真をシンプルにタイムラインに流すことで、Twitterなどのテキストだけでは表現しきれなかった「一瞬」を直感的に共有してくれる。

 この流れをうまくつかんだフード系のサービスがある。「FoodSpotting」だ。Foursquareの「チェックイン」というアイデアを自分が食べた料理と組み合わせ、「おいしそうな写真」を共有するというこのサービスは、新時代のフード系サービスとして存在感を示しつつある。

 日本でここ数カ月で生まれた「Spoon!」「MogSnap」「SnapDish」といったアプリも、ソーシャル、位置情報、モバイル、フォトコミュニケーションといった要素を組み合わせたサービスだ。

 そして10月24日、このジャンルに新たなiPhoneアプリが誕生した。FrogAppsの「miil(ミイル)」だ。アプリの外観はフード版Instagramといった面持ちだが、このアプリを語る上で重要なことは、FrogApps代表取締役の中村仁氏が現役の飲食店経営者でもあるということだろう。IT業界の人間も多く集う飲食店「豚組」などを手がける中村氏。このアプリには、そんな同氏のエッセンスが凝縮されている。

  • 撮影した写真に効果と色温度を設定する

  • 飲食店のジャンルや情報も共有できる

  • 「おいしい料理」というコンテンツが、ポジティブなコミュニケーションを生むという

 miilの使い方は至ってシンプルだ。アプリを立ち上げ、食事の写真を撮影し、複数用意された効果と色温度を調整する。その後、好みに応じて100文字までの感想や飲食店のジャンル、店舗情報などを入力する。もちろん、店舗情報などの入力は自由に選択できる。撮って、コメントして、共有する、それだけだ。サービス上でほかのユーザーをフォローしあうだけでなく、Twitterのアカウントと連携させて、Twitterのソーシャルグラフをそのままフォロワーにすることも可能だ。

 実は筆者は、クローズドテストの段階からアプリを触る機会を得ていたが、そこで気が付いたポイントが2つあった。1つは「発見」、もう1つは「コミュニケーション」だ。フォロワーに加えて、人気の投稿を「HOT」というタイムラインで閲覧できる。そのため自分が知らなかった料理や飲食店を、さまざまな人を通じて発見できる。実際、テスト中に私がアップしたラーメン店に中村氏が「どうしてもいきたい」と言って向かった場面もあった。

 2つ目はコミュニケーションだ。前述のとおり、Twitterのソーシャルグラフをそのまま持ってこれるので、友人でこのアプリを使っていれば共有が可能になる。中村氏がラーメン店に向かったのも、「(筆者に)先を越された」と思ったのがきっかけ。同氏は「話題の切り口を“食”に限定するからこそ、コミュニケーションが生まれやすい。それがmiilの最大の魅力」とテストでの経験を通してサービスの手応えを感じていた。

 中村氏は、「これまでの飲食店向け情報サービスは、理想からはほど遠いものだった」と語る。たとえば口コミサイトなどでの評価は1つの大きな指標になる一方、飲食店を中傷するような評価がなされることもある。

 そういう意味ではおいしい、食べたいというポジティブな情報を集約するサービスこそが、飲食店とユーザーの両者が喜んで受け入れられるものではないだろうか。当初はそんな飲食店経営者として思いから、さまざまな機能を盛り込んでいたというが、最終的にはあえて機能をシンプルにすることで、サービスとしての完成度を高めたという。

 miilによって、「“飲食”と“ソーシャル”の相性の良さを活かして、口コミの再発明を目指したい。写真を共有するシンプルな方法で、店舗とお客様の関係を再構築する」と語る中村氏。サービスの収益化についてはこれからとしつつも、「これまで大手グルメ系サイトが構築してきた市場がターゲット。既存サービスを一気に時代遅れにしてしまうようなサービスを作りたい」と意気込みを語った。

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