1952年、テレビ司会者兼プロデューサーであるRalph Edwards氏は、郷愁という人を魅了する力とテレビの即時性とを組み合わせた、あるテレビ番組を作り出した。
その着想はシンプルで、有名人や時に一般市民が、これまでに出会い、大きな影響を受けた人々の言葉を通じて語られる自分自身の物語に驚くというものだ。彼らの過去は、スタジオ観覧者や多数の視聴者に向けて、ありのままの姿で再び明るみに出る。
受け取る側の視点や特定のエピソード次第で、番組は感傷的にも、居心地が悪くも、感動的にも、悲痛にも、やり過ぎにも、笑いを誘うものにも映った。「This is Your Life(これがあなたの人生)」は、人間の生涯をまとめあげて理解しやすいエンターテインメントに仕立てるための、テレビと過去の新たな利用方法だった。
世界中の人々、あるいは少なくともその中の8億人のFacebookユーザーは今、「This is Your Life」をまさに体験しようとしている。
数週間以内に実装されるFacebookの「Timeline」は個人プロフィールを全面的に改定したもので、「もしも自分自身の人生のすべてを1カ所で見ることができたらどうなるだろうか」という同じくシンプルかつ強力なアイデアを中心に据えて作られている。
Timelineは、自分の人生(より厳密に言えば、Facebook内での自分の人生)を視覚化するものだ。そこでは今まで友達になった人々やアップロードした写真、他者との関係の近況、そして自分がかかった病気や手術についてさえもスクロールしながら簡単に見ることができる(共有するよう選択した場合には)。特定の年から出来事をハイライトしたり、個々の月日を掘り下げて表示したりすることも可能だ。
これは見事な、そして見事にデザインされたビジョンだ。空想的ではあるが、筆者は、自分の祖父母がFacebookを使って自分の生涯をまとめていれば、没後でもそのTimelineをスクロールして彼らの生涯を詳しく知ることができたものを、と考えさせられた。そうすれば、自分の両親が生まれたときや50年前の故郷の様子、そして大恐慌時代に東オレゴンの駆け出しの養蜂家になることがどのようなものだったかを写真で簡単に確認できる。
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