Facebookの「Timeline」に込められたアイデア--人生のすべてを1カ所で見るということ - (page 3)

Nathan Bransford (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年10月21日 07時30分

われわれにはいつも(そして文字通りいつも)パリの思い出がある

 自分がたまたま一代で財を成した27歳の億万長者で、Facebookを使用している期間中になんの破局も経験したことのない人物であれば(Mark Zuckerberg氏には当てはまるようだ)、自分の過去が友達全員に公開されてもそう恐ろしいことではないのかもしれない。

 だが、Timelineにうってつけのきちんとした生活を送ってきたわけではなく、Facebookを使用している時代に破局あるいは離婚を経験したわれわれのようなユーザーの場合、あるいは単に忘れてしまいたいような気恥ずかしい近況アップデートを投稿してしまった場合はどうだろうか。

 現時点では、そうした以前のアップデートや関係はその多くが埋もれている。Facebookを開始して間もなくのころの長い間忘れている出来事を探し出すのは不可能ではないにせよ困難であり、われわれの多くにとっては一安心といったところだ。

 過去の投稿まで戻って削除するか、その公開設定を変更するかしない限り(Facebookはそのための猶予期間を用意すると言われている)、いずれは新しい恋人にあなたの過去を詳細に知られてしまうことだろう。そう、2007年に昔の相手とハワイで過ごした楽しいひと時も。

 そしてより重要なことは、今は亡き最愛の人々や振り返りたくないつらい日々、人目にさらしたくない恥ずかしい出来事もそこには含まれるということだ。

過去を過去のままにしておきたい場合はどうするのだろうか。

オンラインで語られる自分の人生

 Timelineは、1950年代に「This is Your Life」がヒットしたのと同じ法則が現代でも通用すると見込んだものだ。娯楽的要素が十分にある限り、ユーザーは時折感じる気恥ずかしさを乗り越え、自身のプライバシーが侵害されることも受け入れて、自発的に、喜びすら感じながら参加することだろう。

 そして誤解してはいけないのは、Timelineは非常に面白いということだ。実際のところ、Facebookが望んでいるのは、Timelineを楽しめるものにして、ユーザーがFacebook開始以前の人生とのすき間を何時間も費やして埋め、自動的に公開されるもの以上の個人情報を提供してくれることだ。

 だが、ある種の「嫌悪感を生む」要素はまだ確かに残っており、多くの人々にとってそれは未知の領域だ。Timelineと新しい「Open Graph」アプリ(聴いている音楽をリアルタイムで友達が知ることができるよう設定可能な「Spotify」など)の間で、われわれはやがて自分の人生が半ば公共の目にさらされることにどこまで寛容になれるか、そして友達(とFacebook)が自分について知ることにどれだけ違和感を抱かずにいられるかをはっきり理解することになるだろう。

 世界中の人々よ、これがあなたの人生だ。準備はできているかい。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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