MozillaでFirefox Engineering担当ディレクターを務めるJohnathan Nightingale氏は米国時間10月14日、「Android」版「Firefox」にネイティブユーザーインターフェース(UI)を採用し、Firefoxがまだ誕生すらしていない時代からMozillaが使ってきたXUL技術に別れを告げることをメーリングリストで発表した。
Nightingale氏は、「Android版Firefoxはオープンウェブを支える上で不可欠な要素であり、今回の決定によりわれわれは実現しうる最高のFirefoxを開発することができる」と述べている。
Firefoxは、パーソナルコンピュータ上では広く使われているが、携帯端末では(Appleの「Safari」またはGoogleがAndroid向けに開発しているノーブランドのブラウザと違って)それほど普及しておらず、予めインストールされた端末があるわけでもない。同ブラウザは、Mozillaがウェブユーザーの力を強化し、ウェブをオープン技術として維持するというビジョンを実現しようとする上で重要な手段だ。
Nightingale氏によると、FirefoxにAndroidのネイティブUIが採用されれば、起動時間が短くなって消費メモリも抑えられ、ズームやパニングなどの操作もスムーズに行えるようになるはずだという。「Fennec」として知られるモバイル版FirefoxのネイティブUIプロジェクトページでは、その他の利点としてバッテリ持続時間が伸びることも挙げられている。
ネイティブUIを採用したFirefoxの登場がいつになるかは不明だが、現在テスト段階にあるベータ版または「Aurora」版にネイティブUIを取り入れる予定はないと、Nightingale氏は述べた。
FirefoxをAndroidの内蔵ブラウザと比較した場合、起動時間は大きな問題だ。特にFirefoxは使用していない間にメモリから削除されてしまうことが多く、ユーザーがリンクをタップしてブラウザが再び必要になった際、読み込みに時間がかかるのは避けられないからだ。
Nightingale氏は、「十分な議論を経て、われわれは今後のバージョンのAndroid版Firefoxを現行のXUL実装ではなく、ネイティブUIで構築する決定を下した」と説明している。
変わるのはUIだけで、ウェブページの構成要素を処理するのには基盤となっている「Gecko」エンジンが引き続き使用される。だがXULを捨て去るということは、この技術を使ってFirefoxのアドオンを開発しているすべての開発者にとって大きな問題となるほか、Firefoxを他の言語に翻訳するプロセスも複雑になる。
Nightingale氏は次のように述べている。「まだ初期段階であるため、われわれには解決すべき問題がたくさんある。現在、拡張機能をサポートする最善の方法についてアドオンSDKチームと話し合っているところだ。また、世界のどこに住んでいるFirefoxユーザーであろうと確実にサポートする方法について、ローカライゼーションチームとも協議している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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