Appleが米国時間10月4日に発表した「iPhone 4S」に関して、ウォール街のアナリストの評価は「やや期待はずれ」といったところだ。ただし、iPhone 4Sが大ヒット商品になるとの点は認めている。
テクノロジ系ブログと同じく、iPhone 4Sに対するアナリストの反応には実にさまざまだ。主要な不満は、Appleが「iPhone 5」を発表しなかった点にある(もっとも、iPhone 5に何を望むのかを明確に示したアナリストはほとんどいない)。また、4G通信サービスに対応していないことも、多くのアナリストが問題視している。
以下に一部のアナリストのコメントをまとめた。
Sterne Ageのアナリスト、Shaw Wu氏:
全体的には、タッチスクリーンの大型化とフォームファクタの薄型化を図ったiPhone 5を多くの人が期待していたため、少々期待はずれの感があるかもしれない。だが現実的には、iPhone 4Sはすでにベストセラーとなっている「iPhone 4」をさらに改良した製品であり、デュアルコアプロセッサを搭載し、グラフィックス性能が大幅に向上し、より高性能のカメラを備え、バッテリ持続時間が延び、4G並みの通信速度を実現し、音声認識機能「Siri」を搭載している。iPhone 4Sに対する否定的な第一印象はiPhone 4のリリース時を思い起こさせるものだ。iPhone 4が成功すると予測していた人は(いたとしても)ごくわずかだったことを思い出してほしい。
Atlantic Equitiesのアナリスト、James Cordwell氏:
今やiPhone 4の販売価格がわずか99ドルとなり、「iPhone 3GS」が無料で手に入ることを考えれば、現在のAppleが低価格市場でどれほど競争力を持っているかという点を強調することにも意味がある。スマートフォンの中間市場が持つ可能性、および同市場での「Android」の勢いを考えれば、このことは成長を続けるための重要な原動力と考えられる。
JMP Securitiesのアナリスト、Alex Gauna氏
予測記事、製品発表会、プレゼンテーションとも、過去に見られたきらびやかさの多くを欠いていたという印象をぬぐい去れなかった。このことは、先見の明を持つリーダーだったSteve Jobs氏の指揮なしで同社が今後いかに運営されるのかという点で投資家の不安を増大させるとともに、Androidが世界市場において今まで以上に速いペースで市場シェアを獲得し続ける余地を与えることになりかねない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」