富士フイルムは10月5日、プレミアムコンパクトデジタルカメラ「Xシリーズ」の第2弾モデルとなる「FUJIFILM X10」を発表した。光学4倍のマニュアルズームレンズと2/3型EXR CMOSセンサを搭載する。発売は10月22日。店頭想定価格は7万円前後になる。
富士フイルム代表取締役社長 CEOの古森重隆氏は「東日本大震災後、当社では写真救済プロジェクトを立ち上げ、被災した写真の洗浄、修復を行なっている。このボランティアを通して、写真が国民の皆様にとっていかに大事なモノであるかがわかった。写真関係のメーカーとしてそれをサポートしていく責任があることを再確認した」と震災後の取り組みを発表。続けて「X100はカメラの持つ本来の価値、つまり持つ喜びを感じるカメラとして評価されたと考えている。この流れを継承するXシリーズの第2弾製品がX10になる」と新製品について話した。また、同日には第2弾に続くシリーズとして26倍ズームレンズを搭載したプレミアムロングズーム機「X-S1」を2011年内、ミラーレス一眼カメラを2012年春に投入することも明らかにした。
X10は、2010年春に発売された「FUJIFILM X100」のデザイン、クオリティを継承して開発された。本体には広角28mm~望遠112mmのズームレンズを搭載。新開発のフジノンレンズで広角の開放F値でF2.0、望遠側でもF2.8の明るさを実現したという。スーパーマクロモードを備え、1cmまでの近接撮影にも対応する。
高屈折ガラスプリズムと非球面レンズ3枚を採用した光学ファインダーは、視野角20度を実現。富士フイルムでは、光学ファインダーを使用すれば液晶表示の撮影に比べ約370枚多く撮影ができるとしている。
撮像素子には、2/3型1200万画素EXR CMOSセンサを採用。1つのセンサで高感度/低ノイズ優先、ダイナミックレンジ優先、高解像度優先と3つの撮像方式を切替で撮影できるEXR技術CMOSセンサを組み合わせることで、明るくシャープな撮影画像が得られるとしている。また、高速読み出しにも対応し、フル画素で秒間7コマ、600万画素で秒間10コマの高速連写も可能だ。
サイズは高さ69.6mm×幅117mm×奥行き56.8mmで、重量は350g。2.8型のカラー液晶モニタを備えたほか、ポップアップ式のフラッシュを内蔵する。
手ぶれ補正は、レンズ5枚をシフトさせる新開発の補正機構を搭載。光学4倍ズームに加え、「超解像ズーム」を使えば最大8倍までのズーム撮影が可能だ。
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