マカフィー、個人向けセキュリティソフト新版--1つでMacもAndroidも保護

　マカフィーは9月29日、「マカフィー オール アクセス 2012」など個人向けセキュリティソフトの最新版の販売を開始した。価格は1年1ユーザーで9980円。

　販売が開始したのはオール アクセスのほか、「マカフィー トータルプロテクション 2012」（1年3台で8280円）、「マカフィー インターネットセキュリティ 2012」（1年3台で6980円）、「マカフィー アンチウイルスプラス 2012」（1年1台で4280円）の計4製品。搭載される機能はソフトウェアごとに異なる。

　オール アクセスは1つのソフトウェアで、WindowsやMacだけでなくスマートフォンやタブレットもサポートする。対応するOSはSymbianやBlackBerry、Android。iOSには対応していない。端末の数が増えても新たにライセンスを購入する必要はない。

CMSB事業本部プロダクトマーケティングマネージャーの小川禎紹氏

　マカフィーの小川禎紹氏（CMSB事業本部プロダクトマーケティングマネージャー）は現在の状況について「さまざまなデバイスの小売価格が下がった結果、ユーザーが所有するインターネット接続可能なデバイスが混在するようになっている。だが、多くのユーザーは、所有するデバイスすべてに対応するセキュリティソフトを持っていないため、デジタル資産が保護されていない」と分析する。そこから「デバイスの複雑な使用方法と変化しつつある問題に対応するには、ユーザーを保護する新たなアプローチが必要」と、オール アクセスの提供形態の背景を説明している。

「他社製品だとPC3台＋モバイル1台までのインストール制限があり、デバイスが増えるたびにセキュリティソフトを購入する必要があるので、面倒で不経済。オール アクセスならデバイスの数が増えても心配が要らない。用途や場所でさまざまなデバイスを使い分ける方にぴったりの、今までなかった、新しいセキュリティ対策を実現できる」（小川氏）

　オール アクセスは端末の数に制限をつけず、1人のユーザーを保護するというライセンス形態となっている。家庭／SOHO向け（5ユーザー版）の価格は1万4800円。たとえば3人家庭の場合、お父さんがWindows PCとスマートフォン、タブレット2台を、お母さんがWindows PC2台にMac1台、スマートフォンとタブレットを、子どもがWindows PC1台とスマートフォン1台という環境、計11台の端末でも、1つのソフトウェアですべてを保護できる。

　オール アクセスは個別のシリアルナンバーが記載されたカードが入っており、専用のウェブサイトでシリアルナンバーを入力する。所有する端末に必要なソフトをインストールするという使用方法になっている。

　オール アクセスをはじめとする、今回の個人向けセキュリティソフトウェアはすべて、マカフィー独自のクラウド技術「Global Threat Intelligence（GTI）」がベース。GTIは、ネット上にある数百万のセンサから得られた情報をもとに、リアルタイムに脅威を収集して情報を配信できる。同社の評価（レピュテーション）技術もGTIがベースだ。

　今回のソフトウェアには「ネットガード」という機能が搭載される。ネットガードはGTIを活用して、アプリケーションの通信先が危険かどうかを判断して、危険な場合は通信をブロックするという機能。ユーザーPCのアプリケーションがリモートサーバに対してデータを送受信しようとしている時に、ネットガードがその通信の試みを監視する。その通信先が安全なのか危険なのか、GTIのデータベースに問い合わせてレピュテーションする。もし、通信先が既知の数百万の危険なIPアドレスである場合、ネットガードは通信をブロックして、ユーザーに通知する。

　新機能としては「USBドライブスキャン」も提供される。これはPCに読み込まれたUSB接続端末やリムーバブルメディアを自動的に検出して、スキャンすることで隠れた脅威を除去できるというものになる。「マルウェアがほかのPCに拡散するのを防止できるとともに、ホームネットワークに接続されたほかのIP端末がネットワークを通して拡散するのも防げる」（小川氏）ことが特長だ。

　ソーシャルメディアを安全に利用するための機能「マカフィー サイトアドバイザーライブ」も提供される。サイトアドバイザーライブが自動的にURLを短縮して、その短縮URLをほかのユーザーと共有できるというものだ。仮に危険なウェブサイトである場合には、リンクをクリックしてもアクセスは遮断されて、ユーザーは保護されることになる。