Googleは今でも協力者であり、AdobeがFlashを「Android」携帯向けに適合させるのを手助けしたり、FlashをGoogleのブラウザ「Chrome」に組み込んだりしている。しかし、「iOS」は現在重要なモバイルOSである。また、Windows 8は今後重要なデスクトップOSであり、今後重要なタブレットOSである可能性も秘める。そして、これらOSの背後にある2社は、プログラマーに対して強い影響力を持っている。
Adobeは、モバイル市場での進展を主張している。Adobeによれば、現在、130機種のスマートフォンと、85機種のタブレットでFlashを動かすことができるという。ただしこれには、FlashをAIRアプリケーションの中にカプセル化する「Captive Runtime」という手法が含まれている。同社は、2015年までに10億台のモバイルデバイスがFlashを動かせるようになると予想している。
Flash 11には、モバイルユーザーにとって注目すべき特徴がある。動画ストリーミングに対応するデジタル著作権管理(DRM)をサポートしていることだ。これは、Flashで重要な「プレミアム動画」の大きなセールスポイントの1つだ。
もう1つの特徴はネイティブ拡張だ。これによって、プログラマーはクロスプラットフォームという安全地帯の外に踏み出して、Flashがまだサポートしていない最新のスマートフォンでも新しいハードウェアをサポートできる。
しかし、スマートフォン上のFlashではパフォーマンスが問題となってきた。Winokur氏は、Adobeはこの問題に取り組んでいると述べている。
モバイルの側では多くのことが進んでいる。シリコンハードウェアからデバイスへ、さらにOS、ブラウザへと続く、複雑な階層がある。われわれは、この階層のあらゆるレベルで取り組みを進めている。シリコンベンダーとは、さらなる最適化を進めている。その一部は、ポイントリリースの際にFlash Playerに(組み込まれる予定だ)。われわれはまた、OSレイヤやAndroidブラウザについて、Googleと密接に協力している。シリコンやGPUの供給メーカーによるドライバの改善は役に立っている。さらに、OSやブラウザプラグインのAPIの改善が、パフォーマンスをかなり向上させるのに役立っている。
ただし、AdobeはFlashをよりローエンドのデバイスに搭載しようとはしていないとWinokur氏はいう。
モバイル市場は依然として、Flashにとっては最大の難問のままだ。しかし、Adobeがまだあきらめていないのは明らかだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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