では実際に映像を見てみよう。アドオンをインストールしたブラウザで、指定のURLを表示してログインすると、チューナ機器からの映像が表示される。表示させてしばらくは映像が安定しないが、徐々に安定して観られるようになってくる。これらの特性はVULKANO FLOWと非常によく似ている。
画質については、LAN回線ではコマ落ちもまったくなく、ワンセグなどとは比較にならないほどの高画質だ。WAN回線を挟んで外出先から視聴する場合も、自動的にビットレートが調整されるので、コマ送りのような状態になることもほとんどない。
操作性も良好だ。設定時に一覧からチューナ機器の型番を正しく選択していれば、この時点ですでにリモコンが利用できるようになっている。そのためチャンネル変更のほか、チューナ機器の電源オンオフや番組表の表示、さらには予約録画まで、機器のリモコンで操作できることはすべて可能だ。VULKANO FLOWは手動のリモコン設定で挫折してしまう人も少なくないだろうが、本製品ではそのような心配は無用だ。
スマートフォンについては、iTunes StoreもしくはAndroidマーケットで対応アプリを購入し(本稿執筆時点でiPhone用が2600円、Android用が2328円)、ダウンロード後に設定画面でユーザーIDなどを入力するだけですぐに観られるようになる。PCで初期設定が終わっているがゆえに非常に少ないステップで視聴を始められ、あっけなく感じるほどだ。フリックでチャンネルを切り替えられるなど操作性も良好だ。
3G回線で見た場合、HQ画質では数秒ごとに画面が固まるなど、安定した視聴にはさすがに厳しいものがあるが、一段階低いSQ(標準)画質に切り替えることで、ほぼスムーズに視聴できるようになる。画面が小さいiPhoneなどであれば、画質の差はほとんどわからないレベルで、ワンセグ機能のないiPhoneなどの機器では、テレビ視聴のための有力な選択肢となるだろう。リモコンの操作がLAN上に比べてワンテンポ遅れるのが気になるが、全体的な反応速度はVULKANO FLOWに比べるとずっと速い。
また、VULKANO FLOWと比較した場合の大きなメリットとして、すでにビューアが起動している状態で別のビューアを起動すると、あとから起動したほうに配信先が切り替わることが挙げられる。VULKANO FLOWでは起動中のビューアを終了させないと別のビューアを利用できないので、例えばPC上でビューアを起動させたままうっかり外出してしまうと、出先でスマートフォンによる視聴ができなくなる欠点があった。その点、本製品はつねに最新の接続先へ配信できるので、外出先で困ることがない。細かいことではあるものの、PCをほぼ常時起動で使っている場合、これは大きな利点だ。
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