Mozillaは米国時間7月25日、「Firefox」ブラウザに採用されている「Gecko」エンジンをもとに、オープンソースOSを開発する準備段階の計画を発表した。将来的には、このOSが携帯電話やタブレットで動作することを目標としている。
Mozillaの研究者Andreas Gal氏は、「Boot to Gecko」と呼ばれるこのプロジェクトでは、ソースコードが「リアルタイムに」公開される、と書いた。Geckoは、Firefoxと電子メールクライアント「Thunderbird」に採用されているレンダリングエンジンだ。これとは対照的に、GoogleのモバイルOS「Android」は、オープンソースではあるが、開発の主要な成果についてはGoogleが公開を認めるまで入手不可能で、数カ月を要することもある。
「われわれはこの作業をオープンにし、リアルタイムにソースを公開する。あらゆる有効な追加を、適切な諸標準のグループに持ち込む。そうしたプロセスから生じる変化を追跡する。われわれは、これらのネイティブグレードのアプリ群を単にFirefox上で実行できるようにするだけでなく、ウェブ上で実行可能にすることを目指す」と、Gal氏はフォーラムへの投稿で述べた。Mozillaの技術的戦略担当バイスプレジデントであるMike Shaver氏は、Boot to Geckoのアプリ群はAndroid向けソフトウェア開発キット(SDK)を利用しないが、その代わりに既存および新規のウェブアプリAPIを実行すると述べた。
Shaver氏はさらに、4つの開発分野を明らかにした。第1は新しいウェブAPIで、「デバイスやOSの機能をコンテンツに反映させるプロトタイプAPI」を開発する。これは、OSがどうやってテレフォニーやSMS、カメラ、USB、Bluetooth、近距離無線通信チップといった現行のモバイル機器の基本機能をサポートするかを定めるものだ。同氏によると、第2の開発分野は特権モデルで、新機能が「ページやアプリケーションに安全に反映される」ようにする主要なセキュリティ機能だという。
第3に、Boot to Geckoには、Android搭載端末で実行できるよう、カーネルやドライバのサポートに対応する低レベルのAndroidコードの一部も含まれる予定だ。ただし、これはまだ存在せず、新システムに移植するのは大変な試練となる可能性がある。そして最後に、第4の開発分野はアプリケーション群だ。Boot to Geckoの背景にあるのは、「iOS」向けのネイティブアプリがiOS搭載端末上で動作するのとちょうど同じように、ネイティブなWebアプリが動作できるOSを開発するというアイデアだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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