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筑波に拠点を置いて30年--インテルとつくば市、筑波大学が連携プロジェクト

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 インテルと茨城県つくば市、国立大学法人筑波大学は、産学官連携による「つくば2015:つくばが変わる、日本を変える」プロジェクトを開始すると発表した。

 茨城県つくば市のつくばサイエンス・インフォメーションセンターで開かれた会見には、茨城県つくば市の市原健一市長、国立大学法人筑波大学の山田信博学長、インテルの吉田和正社長が出席。つくば市とともに、日本有数の教育機関である筑波大学、30年以上に渡ってつくば市に拠点を置くインテルが連携し、2015年を目標につくば市における「人材養成」「起業家支援」「コミュニティの活性化」「市民の健康づくり」の各分野において改革に着手するものになると、同プロジェクトの狙いを説明した。

 茨城県つくば市の市原健一市長は、「人口21万人、そのうち2割が研究開発者であるというつくば市は、研究学園都市としての計画が浮上してからまもなく50年を経過しようとしており、このタイミングにおいて、研究インフラや集積したノウハウなどを有機的に結びつけ、イノベーションにつなげていく必要がある。その点でもまさに時機を得た取り組みとなる。これまでにも筑波大学とは連携を行ってきた経緯があるが、ネットワークが薄かったり、垣根があったのも事実だ。今回のプロジェクトでは、つくば市を実証実験のフィールドとして、他の都市への先例を目指す。新たなまちづくりとしてのつくばモデルを世界に発信したい」とした。

 また、国立大学法人筑波大学の山田信博学長は、「限られた資源をいかに有効活用して新たなイノベーションにつなげ、それを発信していくべきかが重要である。これまでの縦割りでは連携が悪いのは明らかで、新たなものを生み出すには、あらゆる知恵を取り込む必要がある。今回の取り組みを通じて、震災後の新たな社会基盤となるものを世界に発信したい」と語った。

 一方、インテルの吉田和正社長は、「価値の創造や問題解決には、これまでの延長線上にはない新たな考え方、新たな技術が必要である。ICTの利活用なしには、問題解決や新たな創造性を発揮できない。それを実践する場としてつくば市を利用していく。インテルとしても、ここまで広範囲に渡る協業プログラムはない」などと語った。

 三者は、2010年12月に地域連携に関する協業において覚え書きを交わしていた。

(左から)インテルの吉田和正社長、茨城県つくば市の市原健一市長、国立大学法人筑波大学の山田信博学長 (左から)インテルの吉田和正社長、茨城県つくば市の市原健一市長、国立大学法人筑波大学の山田信博学長

 「つくば2015:つくばが変わる、日本を変える」プロジェクトでは、2011年度の取り組みに、ひとづくりとして「未来を拓く人材養成」「高度人材養成」「起業家支援」の3点を、まちづくりでは「コミュニティの活性化」「市民の健康づくり」の2点に取り組む考え。

 「実効性の高いプログラムとして取り組むものであり、ひとづくり、まちづくりの成功事例を構築する。今後は環境、新産業振興、科学技術振興、農業などの分野においてもプログラムを具体化する。2015年を最終年度としているがこれを終わりにするのでなく、通過点と捉えている」(つくば市企画部 石塚敏之部長)とした。

 未来を拓く人材養成では、つくば市内の全53校の小中学校を対象に、環境教育、科学技術教育、キャリア教育、国際理解教育などを融合したつくば独自の次世代型教育カリキュラムを2012年4月から実施。インテルは、タブレットPCの提供による試験的学習のほか、思考誘発型授業の「Intel Teach」を活用した教員研修を実施し、カリキュラムの作成を支援する。また、筑波大学がカリキュラム全体に対して助言を行う。

 高度人材養成では、インテルの社員研修プログラム「Intel University」をベースに、インテルと筑波大学が世界で通用するコミュニケーション力の向上を目的とした講座を共同開発。筑波大学大学院共通科目として開設する。

 起業家支援では、筑波大学に起業家教育講座を開講。つくば市による起業希望者への支援制度の紹介や、インテル社員によるビジネス成長の方法論などについて11テーマの教育講座を設けるほか、インテルのビジネスプランコンテストであるIntel Global Challengeへの参加支援を行う。7月2日にはすでに起業家教育講座キックオフイベントを開催。約100人が参加したという。

 コミュニティの活性化では、つくば市が取り組む災害時に市民が必要な情報を提供する情報伝達システム環境の構築においての実証実験を行い、WiMAXなどのブロードバンドサービスやデジタルサイネージなどの情報機器を利用し、すべての市民が情報に簡単にアクセスできる環境を構築するという。

 健康づくりプログラムでは、成人病や慢性疾患を未然に防ぐことで、市民の医療費や介護費用の抑制につながる健康プログラムを実施。まずは、つくば市役所職員を対象に、ICTを活用して健康を管理できるコンティニュア対応機器を導入した実証実験を行うことになる。

2011年に実施するプログラムの内容※クリックで拡大画像を表示※クリックで拡大画像を表示 2011年に実施するプログラムの内容※クリックで拡大画像を表示※クリックで拡大画像を表示

 今回の会見では具体的な数値目標は示されなかったが、吉田氏は「現時点ではまだ具体的な数値目標が設定されていない。今後、ひとつひとつの取り組みを検証し、年内にはひとつの目標値を出していきたい。まずはこうした取り組みによって、ICTの利活用を促進してもらい役に立つということも浸透させたい。インテルが持つグローバルの経営指標の考え方も、このプロジェクトのなかに持ち込みたい」などとした。

2015年に向け、三者の地域連携を加速させる※クリックで拡大画像を表示※クリックで拡大画像を表示 2015年に向け、三者の地域連携を加速させる※クリックで拡大画像を表示※クリックで拡大画像を表示

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