エネルギーに関して言えば、Intelの最大の懸念は、巨大なデータセンターでの電力消費を抑制することだ。しかしIntelの研究者らは、家庭エネルギーについても真剣に考えている。
Intelは、米国時間6月7日にカリフォルニア州マウンテンビューで開催されたResearch@Intelカンファレンスで、パーソナルエネルギーゾーンを設置し、エネルギー効率の向上と、再生可能エネルギー源の利用促進にコンピュータを利用する同社の取り組みについて展示を行った。
デモの1つで、近いうちに試用段階に進む予定であるのが、「Wireless Energy Sensing Technology」(WEST)だ。このデバイスは、コンセントに差し込むと、家庭内のワイヤレスネットワークを利用して、電化製品別の電力使用状況を表示する。
このデバイスは、家庭内の主要な電力負荷の「特徴」を認識し、その情報をPCやスマートフォン、テレビなどに転送する。Intelがデモを行ったWESTのプロトタイプは、炭酸飲料の容器のサイズの箱形で、通常のコンセントに差し込むようになっている。
冷蔵庫やエアコンなどの大型電化製品は、家庭でのエネルギー消費の大半を占めるため、その詳細な情報が分かれば、より効率的なエネルギー利用に役立つ。例えば、このデバイスを使うと、サーモスタットをちょうど良く設定したり、誰も使っていないのに電源が入っている電子製品を探したりできる。Intelの研究者はデモの中で、エネルギー消費をより詳しくモニターすれば、使用量を15%以上削減できると述べた。
パーソナルエネルギーゾーンでは、ほかに「Eco-Sense Buildings」のデモが行われた。これはセンサを利用して、温度や占有率などの室内環境を監視するシステムだ。Intelは、センサやビル管理システムからのデータを集めることで、ビル全体としては電力を発電することが可能だと期待している。
別の研究分野では、大規模再生エネルギーをデータセンターと結びつけている。グリッド電力に占める再生可能エネルギーの割合を30%以上にすることは難しい。太陽光や風は変化するため、グリッド電力事業者が安定的な電力供給を確保できないからだ。Intelは、変化するソーラーファームの発電量とデータセンターの電力負荷と同期させて、ソーラーファームの発電量が下がった時には、データセンターでの電力消費を下げることが可能かどうかを探る研究を進めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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