東芝は、電力事業強化に向けて、スマートメーターの製造や販売を行うスイスの企業Landis+Gyr(ランディス・ギア、以下L+G)を完全買収すると5月19日に発表して以来、資本パートナーとなる企業を募ってきたが、産業革新機構(INCJ)が参画することになった。東芝は、L+Gへの共同投資に関わる契約をINCJと締結したと7月25日に発表した。
この契約により、INCJはスイスに新設するL+Gを管理運営する持ち株会社に対して6億8000万米ドルを出資し、持ち株会社の株式40%を取得する。この結果、東芝の出資額は10億2000万米ドル、出資比率は60%になり、L+Gの純負債額など6億米ドルを含めた買収に伴う総費用は16億2000万米ドルになる。
L+G社の株式取得に必要となる行政審査・認可手続きなどは7月上旬に完了し、当初計画通り東芝はL+G社の全株式取得を今月末に完了する見込みだ。
東芝は、共同出資の合意について「INCJは環境やエネルギーなどのインフラ関連分野における革新的な事業や海外企業の買収などによる海外展開などへ積極的に投資をしており、L+G社買収を核としたスマートグリッドやスマートコミュニティ事業のグローバル展開を目指す当社と方向性が一致したため」としている。東芝は、今後も出資比率50%超を維持することを前提に、他の資本パートナーも引き続き募っていくかまえ。
なお、INCJはソーシャル楽器の米Miseluに出資したばかり。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」