Microsoftは米国時間7月5日、過去2週間で4件目となる「Android」搭載機器メーカーとの特許ライセンス契約を発表した。一連の発表のタイミングはおそらく、MicrosoftがGoogleのモバイルOSであるAndroidから自社の特許が侵害されているとする主張に、一定の勢いがあることを示唆しているのだろう。
ただし、いずれの契約も、Android搭載機器の大手メーカーと交わしたものではない。
今回Microsoftが合意を引き出したのは、台湾の委託メーカーWistronだ。Microsoftのプレスリリースによると、この契約は「Microsoftの特許ポートフォリオに基づき、Wistronのタブレット、携帯電話、電子書籍端末などの消費者機器を幅広くカバーする」という。MicrosoftがWinstronからいくらかの特許使用料を受け取るという事実を除き、契約条件は明かされなかった。
Microsoftのコーポレートバイスプレジデントで知的財産およびライセンシング担当副ゼネラルカウンセルを務めるHoracio Gutierrez氏は、声明で次のように述べた。「われわれは、Wistronが業界全体にわたる当社のライセンス提供プログラムを活用することを喜ばしく思う。このプログラムは、各社がAndroidの知的財産に関する問題に対処できるよう支援するために策定したものだ」
今回の契約は、Googleの「Chrome OS」搭載機器に対して特許による保護を提供するという点でも注目に値する。Googleは、同社最新OSを搭載するインスタントオン可能なノートPC「Chromebook」を2011年5月に公開し、6月から販売を開始した。なお、Googleは今回のWistronの合意についてコメントを拒否している。
Microsoftがライセンス供与先を少しずつ明らかにしている一方で、Android搭載機器メーカー各社の契約締結に向けた動きがどの程度本格化しているのかは不明瞭だ。直近の契約を交わしたのは、業界のニッチ企業であるGeneral Dynamics Itronix、Velocity Micro、オンキヨーの3社だ。2010年には、Microsoftは長年のパートナーである大手Android搭載機器メーカーHTCと契約を結んだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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